ネバダ州およびラスベガスのマーケット情報
基本情報
ネバダ州、及びラスベガスの概要
成長著しいラスベガス不動産!カジノ以外にも様々な成長要因あり!
ネバダ州は、アメリカ西部に位置しており、オレゴン州、カリフォルニア州、アイダホ州、ユタ州、アリゾナ州と接しています。代表的な都市として、ラスベガス市(約67.5万人)とリノ市(27万人)があります。
かつての主要産業であった金銀銅の産出が衰えて以降、州政府は、カジノの公認、容易な離婚手続きを法律で定めることで、州内に人々を集めてきました。そして、人口は、2000年の約200万人から大幅に増加して、現在は約320万人となっています。(広島県約280万人)
主要都市であるラスベガスやリノが「カジノの街」として知られるように、州の経済を娯楽や観光業が大きく支えています。そのため、コロナによる打撃を国内で最も受けたと言えます。米国労働省労働統計局の調査では、2020年5月、失業率は国内最高の28.2%を記録しました。(国内平均14.7%)しかし、現在(2022年4月時点)では、ウィズコロナの浸透によって観光業が回復したため5.0%まで下がりました。
ラスベガスは、アメリカネバダ州の南部に位置しており、州内で最も人口の多い都市(67.5万人)です。近郊エリアも含めると約235万人の人口となり、州の約3分の2を占めます。また、ロサンゼルスの近くに位置しており、車で4時間ほどの距離です。ラスベガスの気候は、夏は平均気温が31-34℃、冬は8-11℃となります。また、湿度が年間平均で20%であるため、乾燥が激しい場所となります。乾燥しているため、建物は傷みにくい上に、自然災害リスクも低いエリアであるため、企業の移転先としても人気があります。
ラスベガスは、エンターテインメントのイメージが強いように、レジャー・ホスピタリティ分野が最大の雇用先であり約25%を占めます。例えば、シンガポールのマリーナベイサンズやラスベガスのザベネチアンを保有する「ラスベガスサンズ」は、同市に本社を構える巨大企業です。
近年、ラスベガスで最も盛り上がりを見せていると言っても過言では無いのがスポーツです。ギャンブルが根付いていることから八百長のイメージがつきやすく、これまでプロスポーツチームの参入がありませんでした。しかし、2016年、NHL(アイスホッケー)にベガスゴールデンナイツが設立されました。さらに、2018年、スポーツギャンブルが合法化したことをきっかけに、ラスベガスレイダーズ(NFL=アメリカンフットボール)、ラスベガスエーシズ(WNBA=女子バスケットボール)、ラスベガスライツFC(UCL=サッカー二部相当)が設立されました。様々なプロチームが設立され、スポーツベットや試合観戦など新たな楽しみ方が生まれました。
教育面においても、Tier1に属し、アメリカ大統領選のトランプ氏とヒラリー氏のテレビ討論会の舞台にもなったネバダ大学ラスベガス校が構えています。同大学では、KONAMIと産学提携を結んでおり、ゲーム産業の更なる発展に努めています。大学内にある国際ゲーミング研究所は、最先端かつゲーミングビジネスや依存症対策など高域の分野を研究しており、将来のゲーム産業を引っ張る人材育成を行っています。また、ホテル経営学部は、世界でもトップレベルとして評価されています。
海外や他州からの観光客が多いこともあり、市内は利便性が整っています。空港からダウンタウンまでは車で15分の距離です。眠らない街と言われることもあり、24時間営業のファストフード店や深夜まで営業するレストランも多く存在します。また、世界で最も大きく忙しいコンベンションセンター(展示会やイベントを行う場所)の一つであるラスベガスコンベンションセンターもダウンタウン周辺にあります。
ラスベガスは、観光地としての役割に加え、人口増加、スポーツの発展、優れた教育環境、気候から今後も経済成長が期待される地域と言えます。
ラスベガスの経済状況
オフィス不動産市場
コロナの影響からの脱却
過去3年のオフィス市場
*データ:Colliers
最新のオフィス事情
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
11.7% (0.1% ▲) |
14.2% (0.1% ▶︎) |
$2.27 (0.03% ▲) |
57,273SF (-64.3% ▼) |
663,684SF |
*データ:CBRE
ラスベガスのオフィス市場は、賃貸可能面積として約3600万平方フィートあります。2022年第1四半期での実質吸収量(期初空室面積+新規供給面積-期末空室面積)、賃料の上昇、クラスAのオフィスの竣工から、オフィス市場はコロナの影響から回復傾向にあると言えます。特に実質吸収量においては、昨年よりも約10万平方フィートの増加がありました。(CBRE)また、オフィスでの雇用が昨年よりも約2万3千人増加しています。(Coliers)オフィス市場が成長曲線の状況下、最も需要が高まっているのが、サウスウエストとウエスト地域です。着工中のオフィスの多くが、この地域であり、今後サウスウエストでは、建設が需要に追いつかないと予想されています。(Avison Young)
過去一年(2021年第2四半期-2022年第1四半期)の産業別でのオフィスの占有率を見ると、士業及び専門・科学技術サービス業が17%、娯楽業が14.9%、行政が14.9%を占めます。(Coliers)特に、ITや士業及び専門・科学技術サービス業が、全体の需要を引き上げており、計90万平方フィートあります。また、他州と比べ娯楽業による雇用、売上が多い地域であり、オフィスの全体の占有率の6分の1を占めます。しかし、娯楽業は、他産業以上にコロナの打撃を受けたため、失業率や空室率を大きく上昇させる要因となりました。2021年後半以降は、リモートワークからハイブリッドへの移行と娯楽業の回復に伴いオフィス需要は高まってきています。ラスベガスは、良心的な賃料、税制上の優遇措置、西海岸の主要都市への近さ、建物が傷みにくい気候などオフィススペースとしてとても優れた場所です。(Cushman&Wakefield)
過去3年のオフィス市場
*データ:Colliers
最新のオフィス事情
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
11.7% (0.1% ▲) |
14.2% (0.1% ▶︎) |
$2.27 (0.03% ▲) |
57,273SF (-64.3% ▼) |
663,684SF |
*データ:CBRE
インダストリアル不動産市場
2022年も安定的な成長が続く見通し
過去3年のインダストリアル市場
*データ:Colliers
最新のインダストリアル市場
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
1.1% ▼ | 2.2% ▼ | $1.04 ▲ | 3.1 Million SF ▲ | 2.6 Million SF |
*データ:CBRE
インダストリアル市場の賃貸可能面積は、約1億4千万平方フィートあります。そして、市場は歴史的にこれまでにないほど成長しています。コロナ渦によって、オフィス市場は大打撃を受けた一方、インダストリアル市場は、記録的なEコマースの成長とそれに伴う3PL(第三セクター物流)の発展の恩恵を受け急成長しました。空室率は2020年末と比べると3%以上減少し過去最高の1.1%を記録し、実質吸収量も一四半期としては過去最高である300万平方フィートを記録しました。平均募集賃料も6.1%上昇して$1.04/平方フィート/NNNとなりました。こうした強い需要が続く状況下、テナント側は賃貸前契約または市場に明るみに出てすぐに契約を結ぶ必要があります。建設スペースの欠乏とほぼ無に等しい空室率から、デベロッパーは、建設地域をラスベガスの北西にあるApex市(ダウンタウンから車で30分)へ移動する傾向にあります。(CBRE)
タイプ別に賃貸スペースを見ると、製造業(33.5%)、物流(17.1%)、ビジネスサービス(15.2%)、小売業(11.4%)の割合となっています。(Coliers)それらの企業による需要は、大規模な物流施設や梱包施設だけでなく、小規模の物件やインキュベーター施設など全ての物件タイプに及び、空室率が減少しています。(Coliers)Eコマースの普及および更なる成長、実質吸収量、無に近い空室率、賃料の上昇、建設状況を考えると、インダストリアル市場の将来は、ますます繁栄していくと考えられます。そして、ラスベガス市の新たな雇用の創造やEコマースの成長の鍵を握るため、大きな影響力を持つ市場と言えます。
過去3年のインダストリアル市場
*データ:Colliers
最新のインダストリアル市場
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
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1.1% ▼ | 2.2% ▼ | $1.04 ▲ | 3.1 Million SF ▲ | 2.6 Million SF |
*データ:CBRE