皆さんは不動産仲介業者に物件を見せて貰った時に、どの時点で仲介手数料が発生するかご存知ですか?
1)仲介手数料をもらう「権利」が発生するタイミング
日本の場合には給料制のところも多いので、そんなに問題にはならないかも知れません。しかし、北米の様に仲介業者の収入が全て手数料で賄われている場合はどうでしょうか?もちろん、業務委託の場合には仲介業者と契約を締結しますが、その契約書は殆どの場合が仲介の会社とであって、各営業担当者との専属契約ではないのです。よって、2回その会社に行ってそれぞれ違う営業担当に物件を案内して貰ったら、誰に仲介手数料が行くと思いますか?
これは細かい事でお客さんにとっては余り関係のない事ですが、営業にとっては収入の有無につながるのでとても大事なことになります。北米の殆どでの仲介業界のしきたりでは、最初に物件を案内した人が「担当者」になり、その人が仲介手数料をもらう「権利」を得られるのが習慣です。これは不動産だけでなく、車の購入の場合でも同じで、最初に試乗させてくれた営業者が担当者になり、手数料を得る事になります。
「え?じゃあ、初めに見せてくれた人が二回目に行った時にいなかったら、どうなるの?」って絶対に出てきますよね。多くの場合には、正直言って他の営業は嫌がります。なので、車のディーラーなどでは責任者が堂々と「担当者は明日出てくるからまた来てください」っていう所もありますし、過去に私もそう言われたことも何度かありました。しかし、そんな中でもチームで動いている営業所では違う人が助人に入って、対応してくれる所もありました。やはり文化の違いもありますが、それ以前に業界の手数料ベースという構造が大きく影響しています。
かと言って、車などブランド自体への忠誠心が担当者との人間関係以上に強い商品の場合(担当者との人間的信頼が構築できた場合ですが)、転職した担当者を追って次回買う車をトヨタからフォードに変えるという事は殆ど起こらない為、この手数料ベースの支払い方法と顧客満足度にはまだ向上の余地がある様な気がします。
では、具体的にはどのタイミングでコミッションを「稼ぐ権利」が発生するのでしょうか?
2)「稼ぐ権利」の発生するタイミング
不動産では、物件を見せた時点がその権利発生時点になります。車の場合には、試乗した時点がその権利発生時になると以前ディーラーの営業マンが教えてくれました。もし2回目からは違う物件を同じ会社内の違う営業と見に行って契約した場合には、この顧客のステータスによってコミッションがどの様に分配されるかが決まっています。もちろん、正式な法則ではないですが、その顧客が営業マン#1の顧客の場合には、営業マン#2が内覧をさせて契約まで辿り着いたとしても、コミッションは折半もしくはその時に特別な分配になります。
基本的には、営業マン#1の顧客を営業マン#2が内覧に連れて行ったとしても、それは営業マン#1への「貸」になり、契約書や条件交渉は営業マン#1が行うのが一般「常識」です。これが一見さんの顧客であったりする場合には、関わっている営業マンのポジションにもよるのが殆どです。平営業の場合には収入という意味で厳格になるかもしれませんが、経験者の場合には、金銭的にも余裕があったり他にも顧客がいる事から、厳格になる事は通常ありません。
住宅の場合にはお店に行くのではなく、殆どの場合が観たい家を売りに出している仲介業者に直接連絡して見せてもらう事になる、若しくは自分が雇った仲介業者に家を探してもらう事になるので、この様な手数料の問題は起こらないのが普通です。
この様な手数料の問題を回避する為にも、弊社が関わる不動産仲介業者でも契約は企業間同士で行いますが、その契約書の中に担当仲介業者の名前が記載されており、契約時から担当が明確になっています。車についてはここ2年間ほど買い替えていないので、現状は把握出来ていませんので、次回の買い替え時に聞いてみたいと思います。(笑)
それでは続きは次週にお話ししたいと思います。
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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