不動産投資にいくつかのセグメントが存在する中で、一番手頃で有名なのは住宅投資です。なぜ住宅投資は手頃で有名なのか?その理由はやはり、住宅への投資が一番身近で、専門性が低い為、参入時の敷居が低いからだと言えます。

住宅という大きな括りで纏めると、居住場所としては地域も用途も大きな違いはありません。もちろん、大きさや立地、築年数で多少の価値の変動はありますが、ユーザーの期待は類似しています。これが商業物件の場合には、それぞれの入居企業によって用途や目的が異なり、購入プロセスが複雑になる為、業者委託や副業とするには難しいものです。

1)住宅投資の利点 ①

住宅には行政面での保護や利益が手厚いです。例えば、一般的には固定資産税の納税率は他の不動産物件に比べ低く設定してあります。賃貸として貸し出せば、地元経済活性化へ貢献するとして、外国人所有税が免除されるなど利点が多いです。ただ、世界規模で投資資金が過剰に出回っている為、外国人に対して住宅購入税を導入した市場もあります。バンクーバーの場合は、購入額の20%が外国人購入税に値します。

銀行からの融資を取り付けやすいのが住宅不動産であり、カナダでは外国人居住者でも65%まで借りる事が出来ます。また、銀行口座開設や融資申込みをリモートでできる市場が多く、一部金融機関では日本から契約することが可能です。

2)住宅投資の利点 ②

購入前の物件検査について、住宅の場合には一つの業者が全てを確認するというのがカナダでは一般的です。この業者が数時間かけて確認をし、50〜60ページの調査報告書を作成してくれます。よって、購入者自身の立会いは必要ありません。一方で、商業物件の検査は数社の専門業者によって行われます。

賃貸面では住宅は安定しており、価格変動が少ないのが魅力です。そして各物件の設備が一般化しているのも安心要素です。もちろん、市場の選択や売買のタイミングで利益が変わる懸念はありますが、事前調査で概ね回避することができます。

3)住宅と商業の違い ①

住宅と商業を比べた場合の一番大きな差は、取り扱う価格です。住宅では一軒あたり数千万円〜数億円です。一方で、商業物件の多くは2、3億円〜数百億円と取扱う幅は大きく広がります。高額物件になると、自己資産のみでの購入が困難になり、投資家や融資の設定が必須になるため、投資案件としてとても複雑なものになってしまいます。投資事業運用者(機関投資家)が自らの利益を確保する必要がある上に、投資家に対し定期的な優先配当と事前に決められた利益分配が行われなければいけません。

投資期間について、一般的には商業の方が長期投資案件になります。テナントの入れ替え、賃貸借契約の更新や修繕、資産投資によって物件資産価値を上昇させます。用途や使用方法が異なるため、同市場内の物件でも賃料は物件によって異なります。さらに、設計の違いによって入居テナントの適性があるため、同じ用途の物件でも入居率が異なることはよくあります。

事前購入調査においても、住宅に比べて商業の方が関わる業者数が増え、期間も長くなります。業界の平均調査期間は2ヶ月とされています。関わる業者は建築家、ゼネコン、環境調査、電気、機械設備、屋根や水道などの業者です。行政保管書物の確認も行い、違法建築かどうか確認する必要があります。

4)住宅と商業の違い ②

賃貸借契約書については、定期借家契約が基本になります。住宅のように自動更新型ではなく、退去日が決まっています。賃貸期間中に賃料を変更したい場合、テナントとの交渉による契約書の改訂以外は認められません。よって、入居前の契約交渉時に全賃貸期間の賃料が決められることになります。北米のインダストリアル物件における平均賃貸借契約期間は10年なので、貸す側としては今後10年間の動向を予測して交渉する必要があります。これまでのケースでは、サンフランシスコの物件で当初の契約が年間一平方フィート$47でしたが、10年後には市場が急変し、$18まで減額してしまいました。

ここまで住宅と商業不動産における違いの一部をご説明しました。住宅投資は、物件の選択肢が多く、システムが最も簡素化されています。投資参入の魅力は極めて高いと言えるでしょう。

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