前回に引き続き、今週も枡田が思う「商業不動産の面白さ」について書いていこうと思います。
1)オンリーワン
不動産開発物件の醍醐味は全ての物件が異なる事です。機関投資家物件においても、市場が異なったり、サイズが異なったりすれば、全く同じ物は二つと存在しません。これが弊社の物件サイズになれば、更に物件の個性は出てきます。やはり世界に二つとない作品を仕上げられる感動は病みつきになります。(笑)ですから我々は各物件にその物件の独創性をデザインや設備を通して埋め込んでいます。Alexander物件では地域性を考慮し明るく暖かい物件に仕上げ、Frances物件は市場の先導者となるデザインの導入を試みました。そして弊社はこれからも各物件の個性を最重要視して新たな生命を吹き込むプロジェクトに取り組んでいきます。
もちろん、各物件が個性に富んでいると、それだけ建築費や設計費が嵩みます。しかし、独創的な物件を竣工させる事で、各市場の背景に合った、ユーザーからの需要に見合った物件を導入していくことが可能になると思っています。また弊社の物件にはナショナルブランドの様な信用格付けが高いユーザーの入居はありません。彼らには概ねガイドラインが設定してありますので、弊社の様な独創性豊かな物件ではそのガイドラインの基準にはそぐわないのです。よって、弊社のユーザー候補は常に現地市場企業になります。ですから、デザインも各市場の環境に寄り添って設計しています。このようなソフト面での順応性を用いる事で、弊社の様な小さな開発業者であっても、大手に引けを取らずにユーザーを導入し、成功度の高い投資プロジェクトが可能になっています。
2)感動
これはお客様相手のお仕事をされていれば、お客様から頂く感謝の気持ちほど嬉しく思うことはなく、それを頂く事で今までの苦労や努力も全て嬉しさに変わるというものです。私どもは常にテナント企業のオフィス環境や企業の将来的成功を考えたデザインと設備を改築に施しています。その上で、オープンハウスやテナント候補による内覧で「わー」とか「いいねえ」と言う言葉が聞こえてくると笑顔になってしまいます。ただ内覧時には今後の交渉も念頭に入れ、テナント候補は個人的感情を表すことは少なかったり、リアクションが薄いのですが、その様な中でも内覧者からの感動の声が聞こえてきた時には、心の中で「やった〜!」と我々も叫んでしまいます。(笑)
また、各プロジェクトにおいてメディアにプロジェクトが取り上げられる際にはまた違う感動があります。この場合には、弊社物件ユーザーからではなく、第三者の客観的視点から見た弊社のプロジェクトについての意見となりますので、市場や巷ではどの様に見られているのかが確認できます。その様な中でも「新風」や「将来的デザイン」などと、我々がプロジェクトに込めた考えが反映されたレビューを読む時には、嬉しさが尽きません!
3)結論
そして最後になりますが、やはりテナント企業から修繕や苦情がなく、物件訪問した時には、「これが好きなんだよ」、「使いやすいよ」とか「いつもありがとう」と直接ユーザーから言葉を頂く時ほど、この仕事をやっていて良かったと思う時はありません。だから、天候関係なく、定期的にテナントスペースへ足を運び状況を確認したり、毎週の様に物件管理の一部として芝かりやメンテナンスで物件周りを歩いて目視確認を行おうという気にもなる訳です。そして、管理の我々が物件にいる時に態々出てきて、お礼の言葉を掛けてくれたり、相談しに来てくれる。。。この様な関係を築き上げられている事は、Win-Winな関係を常に求める我々としては本当に嬉しい事です。
しかし、物件によっては、購入当初の周辺環境は決して好ましい状況ではない場合もあります。弊社物件でも運悪く盗難に入られ、テナント工事中の資材が盗まれた事もありました。しかし、警察などへ報告後、テナントから協力的で前向きな言葉をかけられ、建物のセキュリティーを向上する事で再度安心してもらえ感謝の言葉を頂けると、やはり弊社が重んじるテナントを第一に考えた運営方法は正しかったと背中を後押しして貰えている様で嬉しく、感動が込み上げてきます。
不動産事業は一般的にはサイズも大きく取り扱い金額も高価な為、華やかな業界と思われがちです。しかし、実際はとても地味で「3K労働」に程近い業界です。その様な中、やはり「ロマン」、「オンリーワン」の物件着工や「感謝」がこの業界に携わり続ける原動力になっています。
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KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
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