ここ2週間起業について私なりの重要視する点を述べてきましたが、今回は番外編として検討しても良いと思う項目についてお話ししてみたいと思います。今週の項目はそのまま受け入れるのではなく、各ポイントがもたらす可能性や経済面での仕組みや貢献を検討して頂きたいと思います。その上で、各ポイントの長短を検討して頂ければと思います。では、今週のポイントは次の項目です:1)商品ではなくインフラ、2)統合性、3)経営統一。

1)商品ではなくインフラ

『「商品ではなくインフラ」と言われてもなに?』と思われる方も多いと思います。私が考えているインフラというのは、第一線での事業提供者(レストランや製造業)ではなく、そのサービス全体をサポートするシステムのことを意味しています。例えば、配達代行サービス(バイク便、外食宅配など)です。実際の事業の仕組みや経済動向の影響を調べた訳ではないですが、資本を持たず(最小限でないかと察しています)、メインの事業提供者への付随サービスという隙間産業的ポジションは、業績の浮き沈みはあるものの、会社自体が不況などの経済状況や社会現象(コロナ)から直接的な影響を受ける事は少ない様な感じがします。付随サービス提供者である為、一業種が低迷すれば他業種への移行が可能になると推測します。また、資本金が少額という事で、銀行などへの融資申請では審査上は通りやすいのでは無いかと思います。

そして、雇用形態も経済の影響を軽減させているのではないでしょうか?憶測ですが、正社員数よりも契約社員や時間給ベースの従業員が大半を占めていると思います。そこから雇用の柔軟性が得られていると思います。某有名企業も一昔前までは取り入れていた、出来高払いという雇用体系を取り入れているところもある様です。ここでは、パートタイムや契約社員を中心とした雇用主の状況による雇用・解雇を推奨している訳ではありません。当初からの計画的な雇用により、しかも費用面でフルタイム社員より柔軟性が伴う契約社員や時間給従業員の導入は企業の費用を軽減できると申し上げているだけです。

この様な隙間産業は事業としてもとても有力で魅力的です。

2)統合性

次のポイントは「統合性」です。これは垂直統合や水平統合を意味しており、その様な統合が可能な事業選びという事です。この様な視野を持つ事で、業界の川上から川下まで統一することが可能になり、サプライチェーンをコントロールする事も可能になります。その上、不況などにおいても事業全体が影響を受ける訳ではないので、リスクヘッジになると思います。例えば、世界的に不動産サービス企業大手では、仲介、アセットマネージメント、建築管理、デザイン、物件管理と垂直統合を行っています。

またこの様な統合は将来的吸収合併や売却を行う面でも役に立ち、更なる企業成長を可能にしてくれます。上に述べた不動産サービス会社の現状は既に上場していたり、資本金レベルが大きなものですが、弊社の様な小さい会社でもデベロッパーであると同時に管理会社を営み、小規模企業に特化したリモート用シェアオフィスの提供などを検討することで、垂直及び水平リスクヘッジの試みが可能になります。またこの様な統合は新規アイディアを検討する際にも斬新な考えを可能にしてくれます。

3)経営統一

ここでお話ししたい経営統合とは、本社と支社の関係になる母国と異国事業の経営統一です。もう既に多くの邦人企業も海外に進出して事業を行っています。読者の中にも海外に子会社を持ったりジョイントベンチャーを行っている方もいらっしゃるかもしれません。私の考えの中では本社と海外子会社(事業所)という分けた考えは危険だと思っています。弊社でも今後日本にオフィスを構える上で、幸い私どもは全員が共通の文化をシェアする日本人ですが、異文化や歴史の違いから考え方の違いが存在する海外の事業所を「別(違う)」と考えるのは、経営管理放棄につながると思っています。「違う」から、現地の人間や送り込んだ人間に任せるのではなく、若しくは本社の意向をそのまま押し付けるのではなく、企業全体のスタンダードを生み出し、それを定着する必要があると思っています。それは決して巷で言われているグローバルスタンダードなどというものでなくて良いと思います。このスタンダードは各企業におけるスタンダードですが、グループ全体に浸透出来る、全員が理解できるシステムであることが必要だと思います。

この様な理解を得る事で、ただ働いている勤め先ではなく、各社員(従業員)が存在を実感出来る、会社の目的のために貢献できる場所という位置づけが出来ることが大切な事だと思います。この様な統一をする為には、本社のシステムや考え方も、またその中にいる人間も変わる必要があると思います。しかし、一市場以外で活躍しようとする中で自分の価値観を押し付けているだけでは、共感もなければ共存も得られません。各企業における全員が共感出来、理解出来る真のスタンダードが必要だと思います。

今回は番外編をお送りしましたが、考えてみる価値はあるのではないかと思います。何か一つでもお役に立つ項目があれば嬉しく思います。

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