現在ミニシリーズ化してお伝えしているCOVID-19(コロナ)感染についてですが、今週はコロナの影響と弊社の仕事の現在と将来と題して、ブログを書きたいと思います。ここでは、弊社の投資事業のみならず、弊社の営業と運営手段についても触れ、弊社の考え方をお伝えしていきたいと思っています。
1)コロナ禍の弊社の現状①
最初に弊社の現状をご理解いただく上でも、COVID-19の影響は大きくのしかかって来ました。再開発プロジェクトが中止になり、物件の売却が長引き、新たな投資プロジェクトを検討する必要が出ました。ただ、これら方針の変更や延期は投資の上では付き物ですので、リスクヘッジや対応策を持つ事で、対応は可能です。また、弊社の場合には、この第2プロジェクト時が財務的にも一番苦しい時期になることを設立当初から予測していたので、政府の経済援助に便乗できた事は不幸中の幸いでした。また、プロジェクト売却も延長しましたが、テナントからの賃貸収入で財務的痛手も最小限に抑える事が出来ました。よって、合計的に見てみると、全てがマイナスな事ばかりでなかったと思っています。
投資プロジェクト面では、先ずは現在の物件売却を完了させ、次の物件購入を検討しています。現在3物件を所有していますが、うち2物件は一筆から成り立っています。バンクーバーの建築基準法では、一筆内の複数の物件では単独改築が許されていません。よって、現在の選択肢としては、1254と1258 Francesを共に再開発するか、現状もしくは更地にして売却するかになります。再開発を検討した場合、今回のFrances Street再開発プロジェクトと同じハードルに直面する事から、売却の方向で話を進めています。また、隣物件である1270 Francesが売却確定になった事で、比較販売価格が出来、今後の売り出し価格も見直しが可能になりました。
1270 Francesは9月上旬の引き渡しとなり、現在弁護士の方での対応が始まろうとしています。物件売却からの現金収入は大きなアセットになり、次のプロジェクトに進める足掛かりになります。この売却プロセスについては引き渡し後に別のブログでお話ししますが、2年間の所有で売却利益が得られる事になりました。もちろん、今回のFrances Streetプロジェクトの準備費を回収するほどの利益は生み出せませんが、1254と1258 Francesの売却も兼ねると、プロジェクト立案前にかなり近い状況まで回復できる事になると予測しています。
2)コロナ禍の弊社の現状②
また、偶然なのですが、弊社が使っているサービスオフィスの閉鎖通知が先週末に来た為に、系列のオフィスへの移転も余儀なくされています。表面上は移転に対しての事務経費(引越はセンター負担なのですが、それ以外の名刺の書き換えや子会社移転登録諸経費は自己負担になります)がかかる事でマイナスに見えますが、新築オフィスビル内への移動によるアメニティーや設備の向上、そして立地向上は弊社の事業展開に追い風をもたらしてくれると思っています。なので、8月からは新規オフィスでの運営が始まります。今度のオフィスはバンクーバーのバラードインレット(バラード海峡)を一望出来る絶好の景色が目の前に広がる為、海岸育ちの私としては、申し分ない環境です!
この移転をきっかけに、事業内容も一層仕組みや構造を練るアイディア屋としての事業を今まで以上に手掛けていきたいと思っています。そしてこれらのアイディアを自ら組成し、事業として形にしていきたいと思っています。よって、全てこれからが種まきになるので、収穫はまだ先の先行投資と考えています。やはり我々は、家業であり、四半期ごとで決算評価をする様な短期スパンにおける仕事をしない為、常に業務の水平線は早くても数年先を見据えています。私の代で枡田のメインの家業から独立して一代目の新規家業構築になりますので、今後考えて実践していく事は、次世代の娘達の世代が大いに活用出来る事業になるのではないかと考えています。
その為にも、現時点の弊社の活動の目的と方法をさらにシンプルにしていく必要があるとこの頃感じています。また、弊社は「Small Is Beautiful」という事で、小規模事業者として継続していくつもりです。そうすると、どうしても人材や金銭的資源の限度やしわ寄せが来る為、優先順位を確実にした先行投資を行っていく必要があると思っています。よって、私を含めた社員の能力や強みや弱みを再度明確にして、アウトソーシングで補う部分や必須人材を導入する部分を再確認しています。
3)弊社の働き方と今後について
その延長線上に、弊社は海外で「大和ここにあり」を強調して仕事をしていますので、今までは不動産業界がメインだった我々のネットワークも家業や日本とカナダの両岸において協調し合える方々との関係構築にフォーカスを拡張する必要があると認識しています。そうする事で、業界を超えた関係が構築でき、新しい発想から新規事業への試みが可能になると思っています。
この様な業務を遂行する為には、考えるスペースが必要なだけで、決してオフィスが必要とは思っていません。よって、新規オフィスに移転した後も弊社では各社員の効率良い(安心できる)仕事環境の提供を最優先に考え、リモート業務を継続していく考えです。その一方で、今回のブログでも再三お話しした様に、アイディア屋はそのアイディアを交換し合い、練り上げる必要があります。よって、弊社では今後はリモートでありながらも、定期的な出社日を定め、その日は社内で話し合う日にしていこうと思っています。私個人的には、各自の業務は各自のスケジュールで遂行すればいいと思っていますし、必須項目も予定内に完了していれば、どの様な形態で業務に当たるかは各自判断で良いと思っています。もちろん、業務量からも早朝や深夜の1〜2時間だけで1日の業務は完了しませんが、各自のワークライフバランスを尊重するのは必須だと思います。なので、出社日には、各自の仕事はせずに、「話し合う日」、「アイディアを練り合う日」として時間の使い方を明確にしていく予定です。
私は社員に一日も早く私と同じレベルで議論をして、アイディア屋としての存在を発揮して欲しいと思っています。それは役職に関係なくです。もちろん各自の向き不向きを踏まえた対応とスタンスは明確にしておく必要はあると思っています。その様なバウンダリーを設置しても、各自のポジションと人間性を用いたアイディア屋として、会社の将来性や各事業に貢献する事は可能であり、必須であり、そしてそれは社員の義務だと私は考えています。指示を受けて行う作業はこの先のAI導入により消滅するか、貢献度が極端に低くなる為に、それこそアウトソースする業務になると考えます。弊社で給料を払ってでも働いて欲しい人(私個人的には可能な限り高額のお給料をお支払いする人)は考えられる人、自らのアイディアを仕事に入れて貢献出来る人です。AさんでもBさんでも出来る仕事は弊社の様な小さい会社には必要ないと思っています。なので、私は自分の「色」を持つ事を常に求めています。
4)まとめ
話が色々ブレてしまいましたが、このCOVID-19(コロナ)は弊社の今後の方向性を更に明確に示す機会を与えてくれたと思っています。アイディア屋というアイデンティティーで今まで以上にシンプルで鮮明な事業への取り組みを示していこうと思っています。不動産と家業支援業務の2本の軸からアイディア屋としてこれからも考える事で形に残す仕事をしていきたいと思っています。そしてその為には、オフィスへの毎日の出勤は不必要。逆に「考え合う日」を設定してチームとして切磋琢磨していこうと考えています。
これら新規アイディアについてはまた今後のブログで追ってお話ししていきたいと思います。
関連ブログ
第104話「COVID-19とカナダ・バンクーバーの経済状況」
第105話「COVID-19の影響とバンクーバー不動産市場への影響」
第106話「COVID-19の影響と仕事の現在と将来」
第107話「COVID-19の影響と各国の違い」
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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