先週は本を出版させて頂いた事についてお話ししましたが、これに続き今週は弊社の中で進めている今後の活動についてお話しして行きたいと思います。

弊社は不動産投資会社ですので、そのポイントについては変わりません。しかし、自分たちが家業出身である事や今や世界単位で物事が話されているにも関わらず(地球温暖化、コロナウィルスなど)、日本の世界貢献度が極限まで衰退した現状を見て、我々は海外で生きる日本人として恥ずかしく、悲しい思いで一杯です。

日本が世界レベルで貢献できる分野は多々存在すると思いますが、あえて経済に焦点を置くと、日本経済の根底には中小企業の存在があると思います。そして、中小企業の殆どが家業であると私共は考えています。よって、日本の経済を活性化させる為には、日本の家業を安定させ、継続させ、繁栄させる事が必須と考えています。

よって、弊社の家業という歴史と現状を加味して、今後は更に「人間」に焦点を置いて事業展開を行っていきたいと考えています。

その上、今回の著書でも取り上げましたが、家業とは生き物で人間の絡み合いが存在します。ですから、家業の成功にはまず家庭内の人間関係の紐解きが必要だと思っています。そして、家業の人間関係をまず安定させる事が必須です。もちろん、全ての家業が枡田の家業の様な状況ではないと思っています。その様な家業では今後も繁栄と継承が行われると思っており、日本の家業が存続されていく事にとても嬉しく思います。そして、そこまでスムーズにいかない関係にある家業においては、私共としてもお役に立てる術で安定をもたらし、今後の繁栄に貢献させて頂きたいと考えています。

現在のコロナの状況では対人でのこの様なお話は難しい状況にあるのも事実です。ましてやカナダから日本へ行くには往復1ヶ月かかってしまうのが現状です。(日本帰国時の2週間の自主隔離、そしてカナダ帰国後の2週間の強制隔離) よって、弊社としてもすぐには取り掛かる事は不可能かも知れませんが、今までの知恵や経験をもとにご相談に乗っていく様にしたいと思っています。その上でもこのブログを通じてミニシリーズ化したトピックを発信できる様にしたいと思います。

そして、再三申し上げますが、この問題は家業特有の問題ではありません。家業も家族が基本です。一般家庭でも起こりうる問題です。弊社の関わりは必要ないかも知れませんが、各ご家庭での紐解きを必要に応じて試み、ご家族間の人間関係の向上から、ご家族の心の豊かさが増す事を心から望んでいます。

家族内の人間関係の紐解きに目処がつけば、次は事業として家業の行く末を家業関係者の中で話し合う事だと思います。ここでも人間をベースにした関係のバランスや家業の長短所を調整した成長戦略の合意と開示が必須だと私どもは考えます。もちろん、家族内の人間関係とビジネス上のパワー関係や対外的メンツや顔というのは異なり、ここでも更なる問題が発生する可能性大です。この様な状況でも我々は数字的観点や権利をベースとしたアドバイスではなく、人間を基準とした各企業が望むゴールと姿をベースにこのプロジェクトに貢献させて頂く次第です。この場合にも、ただトップを選ぶだけのプロセスは賢明ではなく、縦横の関係を重要視し、関わる全員にとってWin-Winな結果を導くのがベストだと感じています。そして、これには一般的な「型」はなく、各家業の状況によって異なります。だからこそ、全員のインプットが必須であり、全員の想いが現れている必要があると思います。私の個人的経験からも、一部の人間だけによるリーダー選任と決断は後に企業内で亀裂を起こす事になりかねません。

そして、一旦次世代リーダーが選任された場合には、次世代リーダーの世界観を習得することが家業を次のステージ(世界という土俵に参加する)へ導くプロセスだと思います。冒頭でも申し上げた様に、世界単位で地球は動いています。しかし、現在の日本ではその対応の必需性と緊急性が見られません。新聞やニュースでは読むものの、自分の事、自分の事業には関係ないと思われる方がとても多くいらっしゃる様に思います。しかし、日本経済の根底は家業や中小企業で成り立っている以上、この様な考えは通用しないと思います。ですから、まずは世界感を習得する事が必須です。これからのビジネスでは、海外に出る可能性も多くなり、実際海外拡張された時には日本の習慣だけでは海外で仕事は出来ません。例えば、全ての質問に「イエス」と答えたのでは、交渉はボロ負けします。そして、アメリカは人種でわかれているので、どの人種系のアメリカ人(もしくは企業)と交渉しているのかで戦略も焦点も異なってくると言うことです。この様な理解を得る事は、これからの世界を生き延びる上では必須です。ですから弊社では、企業留学の設立を考えています。志や理念が似ている企業(同族会社)との関係を深め、信頼し合えた上で、留学生を期間限定で受け入れることを現在考えています。このプログラムでは、弊社の仕事を学んで頂くのではなく、海外(北米やカナダ)での仕事の習慣や思考回路を学んで頂き、帰国後はご自分の企業を世界に進出させて頂きたいと思っています。その為にご協力させて頂きたいと我々は考えています。

また、これら飛躍には強い財務基盤が必要です。弊社を通じて行う必要は全くありませんが、弊社がお手伝いするのであれば、弊社は不動産屋ですので、共同不動産投資でその財務基盤の強化及び事業拡張のお手伝いをさせて頂くことを考えています。それも短期で存在するリスクを背負ってでも海外で投資する価値があるものでなければいけません。最近ある日本のファイナンシャルプランナーさんから聞いたところでは、年率10%のリターンがあれば「御の字」と聞きました。しかし、これでは為替リスクや事業リスク、そして国外リスク(監視や習慣の違いからくる不透明さ)などを考慮すると、低すぎると思います。弊社独自の投資事業でも10%では弊社の成長基準率に届きません。

しかし、ここで重要なのは、弊社の投資をお勧めするのではなく、海外には日本に知られていない投資商品やチャンスが多く存在しているという事です。これらの存在を知り、ご自身で体験される事も大事な「海外化」の一要因だと私どもは考えています。

この上記の3つのプロセス(1)家業の安定と承継、2)事業拡張(世界化)と3)財務基盤の強化)により、循環経済システムが成り立つ事になり、今後100世代先まで継続可能な家業が成り立つのではないかと、我々は考え望んでいます。

これら「人間」をテーマにした事業展開をする事で、弊社としても似た志を持つ皆様と深い関係を持つ事が可能になります。それは弊社の今後の安定にもつながり、我が家族の次世代やその先の人生の友の構築にもつながると思っています。我々は助け合い、共存し、切磋琢磨しあえる仲間こそが本当の意味での持つべき友だと思っています。それは知人ではなく、心の中を裸にしあえる友人達との関係だと確信しています。

この様な考えのもと、これからも「人間」をテーマに邁進していく所存で御座います。