今週は家業継続の上でも、外圧(家業のコントロール以外の環境からの影響)についてどう対応するかと言う事についてお話ししたいと思います。具体的には、日本以外の地域への事業展開を検討し、リスクヘッジを行う事です。

1)海外から見る日本

その上でも、現在日本の置かれている立場は、世界レベルにおいての参加や公平な理解を得る上ではとても貧しく、不利な状況にあります。そして、世界が繋がり地球規模での政治経済影響を受ける環境での日本企業のリスクヘッジ対策(例えば、コロナ禍、地球温暖化、米中のポスト冷戦関係など)は十分なものではないと感じています。この様な状況を打破する為に我々現家業経営者はどうしなければいけないのか?そして、自らの家業の今後の安泰と成長をどの様に保持し維持していくべきなのか?日本経済の生き残りと同時に日本国内のみで活動している家業は真剣に向き合い、本気で考える案件だと一事業経営者として私は体感しています。

余談ですが、弊社が日本国内で不動産投資事業を行わない第一の理由は、弊社は北米市場で対等に存在する不動産投資家として邦人不動産投資力の優秀さを見せていくのが役割だと思っています。よって、弊社が日本国内の市場に参加する事は、弊社の本来の存在価値と目的が異なってしまいます。これが弊社の日本国内不動産市場に参入しない一番の理由です。

2)マーケットリーダーになる手段

近年の有名な経済著書である「ブルーオーシャン戦略(Bule Ocean Strategy)」(Chan and Mauborgne著)でも取り上げられている様に、今後のビジネスの生き残りのためには競争の中(レッドシー)で生き残りを図るのではなく、新たな市場(ブルーシー)を開拓して、そこで新たな価値を提供するのがフォロアーではなく、マーケットリーダーになる手段であり、競争を方程式から削除する方法と話しています。

これを実現させる方法が次世代リーダーの教育です。如何にして家業の価値、歴史、家訓を継承するかという問題もさることながら、世界情勢が全企業に強くの押かかってくる現在の状況をトレンドとしていち早く察知し、海外の思考を理解した先手を打つ。打撃の波の先を行き(生き)続けることだと思います。

しかし、大企業の様に海外支社が所在するならまだしも、なんのつてもなく海外の流れや思考を理解するのは無謀な試みです。海外の大学へ社会人留学する事も可能ですが、日々動いている家業から数年間退き、既に学んだ大学勉強を社会体験だけの為に再度行うのもポイントが違うと思います。そのうえ、企業留学や視察を考えても、国内に専念してきた家業にとっては独自のネットワークも存在しなければ、海外市場の流れについても知識不足なのではないでしょうか?

海外旅行経験者は海外の風習に対してもある程度の理解もあると思いますが、社会人として職場に溶け込み、現地人と肩を並べた職務機会は語学面からも企業分野の違いなどからも閉ざされた領域だと思います。しかし、その霧隠れした領域に光をかざし、国外市場を理解していく事は将来の家業リーダーには必須項目だと私は考えています。

3)次世代リーダーの教育

ここで重要なのは、実際に海外に出ていくことが必須なのではなく、理解を得ることで選択肢を増やす事です。全ては知識として習得し、選択肢を持つ事だと思います。ここでもできれば知識ではなく知恵として収穫して頂きたいのが本音です。「知らない」や「分からない」というのが一番危険だと私は思います。そして、本などから得る客観的な知識も、これから企業や社員及びその家族を養って行かなくてはいけない家業リーダーには不十分だと思います。それであれば、自分の足と五感で学べる、海外旅行や地元事業団体などが後援する海外視察に参加する方がよっぽどメリットがあると思います。そして必要な事は、同業者のフォロアーになるのではなく、ご自分たちで知識を得て、考え、判断する事です。市場の流れに逆らった決断になったとしても、それが御社の判断であり、御社にとって最適進路であれば、その選択肢を進むべきだと思います。国内における同業者内や企業団体内のコンセンサスを取り付ける必要性が過剰に重要視され、イノベーションマインド企業の将来性が危機に晒されていると思ってしまうのは私だけでしょうか?

1970年代初めから海外に進出している家業として私どもの役割はないかと考えると、それは経験に基づいた、生きた社会、ビジネス、文化や生活の習慣や手段などお伝えして、みなさんが知識ではなくご自分の知恵として使えるツール(道具)にして頂く事だと思います。よって、弊社ではオープンセミナーの動画をフリーサイトで提供する事を始めました。

私が考える「世界観」をお話しすることで、各自の「世界観」の基礎を身につけて頂きたいと思っています。そして更に「海外を理解する」場を個別・グループ環境で提供していきます。

そして、海外進出の可能性を真剣に学ばれたい家業参加者には、現在のコロナ禍が落ち着くであろう2021年以降、弊社のカナダオフィスにて短期研修制度による実地体験プログラムを展開していこうと思っています。この場合にも、目的は弊社の不動産業を学ぶことではなく、海外での実地体験を得る事にありますので、業種の制限は必要ないと考えています。

また、フリーセミナーとグループ(または個別)セミナーを通じてお互いに対する信頼や価値観の確認をし合う事で、実質的な海外研修に対してのハードルは著しく下げる事が可能になるのではないかと考えています。

4)最後に

また、カナダにおける研修期間が観光旅行の延長にならない為にも、西洋社会とビジネス環境をご理解いただくと同時に、参加者が自分の足で各家業の海外における事業展開の可能性や将来性を調査して頂き、帰国後には経営トップ集団に加わって各家業の方向性を提案・考案できるまでの力をつけて頂きたいと願っています。

弊社の所在するカナダという環境は、市場スケールは小さいものの、親日感情も強く、経済的にも活発で、政治的にも安定している場所なので、海外を知る第一歩としては最適な教材環境ではないかと考えています。バンクーバーでの経験を更なる海外化の源として、各ターゲット市場への切り口になる事を願っています。

YouTubeにてこの試みの告知動画はアップしました。今後、随時、YouTube弊社ホームページにて各トピックの詳細をアップしていきます。

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