今回は2020年を振り返ってというタイトルで、弊社の活動を振り返ってみたいと思います。

1)弊社プロジェクト

今年は色々な事がありました。皆さん同様COVID-19(コロナ禍)は前代未聞ということもあり、不安と予測不可能な将来に対して大きな影響を与えました。その中でも一番大きかったのは、1270 Frances Streetにおける再開発だったと思います。このプロジェクトはバンクーバー市場においても前代未聞のデザインであった為、邦人企業である弊社から市場へのインパクトは相当なものだったと思います。プロジェクトが建築申請時点で複数のメディアに取り上げられ、デザインと物件そのものの提案が好評だった事はその証明であり、これはデベロッパーとしても嬉しい限りです。弊社としては、このプロジェクトは再度日を改めて挑戦したいと考えています。もちろんその際には、その時の市場の先をゆくデザインを取り入れた「トレンドクリエーター」としてユーザーエキスピリエンスの向上に励みたいと思っています。

結果、三物件の一つはコロナの真最中でありましたが売却が完了し、利益を生み出せた事は投資家としても評価できる事なのではないかと思っています。他の二物件については2021年に化粧直しを施すことで、各物件の市場内における立ち位置を再構築させ、速やかな売却へとつなげていく予定です。これらFrances Street物件は完全な再開発を考え購入しましたが、改築対象物件としては、本来の弊社購入クライテリアを備えていなかったのも事実です。ですから、今回はいい勉強をしたと思っています。今後は今回の経験を元にさらにプロジェクト数を増やしていきたいと考えています。

2)著書の出版

同時に、今まで自分の中で温めていた、己の経歴、自分の家族や家業に対しての心の整理や自分の考えの整理という意味で、「家業を継げなかった三代目、継がなかった三代目」の著書を施せたのはとても良い節目と新たなスタートにする事が出来ました。やはり、私の中に存在していた今までの父親との関係を自分の中で発散も出来ず、整理できていなかった感情を整理して、人間関係を含め全てを過去にできた事はなによりも大きな収穫だったと思います。もちろん、自分が離縁された人間ですので、偉そうな事は言えませんが、どの様な場合においても「ただ受け入れて終わり」にする必要はないと思いました。これでは、自分が惨めになると同時に、コントロールが不可能な状況の被害者でしかいられないと思います。よって、そうではなく、過去を振り返り、納得いくまで・いくように考え、自分が納得いく決断を行い、それに沿った生き方をする事で、今までの自分から解放される事になるのではないかと私は考えます。もちろん、これは自分を被害者から救い出す作業も含まれていますので、自分へのバイアスが入ると思います。でも、事実を曲げる事なく、自分なりに解釈する作業ですので、自分が納得いく様にその後の人生に対して準備をしたらいいと思います。

今回の本の出版では特に複数の方から「読みやすい」、「まさに自分の状況と同じ」、「考えさせられた」などというコメントを頂き、それだけで今回の出版の意味を成し遂げた気がしています。この書物は決してベストセラーになるものではなく、必要な方、心に響く方に手をとっていただければと思い、自分の心の洗浄と整理を兼ねて書きました。

3)メディア取材

この出版を機にNewsweekからインタビューを受けられたのは、大きな展開でした。出版後、東京のマーケティング・エージェンシーからNewsweekインタビューへのお誘いがありましたが、初めての試みでNewsweekに掲載される事はまずないので、期待はしない様にとの事でした。しかし、エージェントの実力に恵まれ、物事がトントンと進み、1週間の出張期間中でエージェントとの顔合わせから、インタビュー、写真撮影まで物事が運ばれました。この体験がとても良い思い出になった事は言うまでもなく、話したいことを話したい様に話す機会を頂けたことは本当に感謝するばかりです。結果、あの様な素晴らしい記事にして頂けた事、そしてオンラインの方では1年間掲載を継続して頂ける事になりありがたく思うばかりです。

Newsweekの掲載後には、お世辞にもアメリカ本家のWall Street Journalの方から掲載の逆指名を頂きました。とても嬉しい事だったのですが、我々のターゲット・オーディエンスは今読んで頂いている皆様の様な日本にいらっしゃる家業関係者や不動産投資家が大半だと思っており、その上世界で販売されていても、英語のみの記事での掲載は我々のエゴにしかならず、読者の皆さんに提供するものが最大限可能にならないと考えました。よって今回はブログのみのご報告でWall Street Journalの一件はおしまいです。今後メディアに掲載される場合には、読者の役に立ち、我々が提供できる最大限のものを掲載していただける様にしていきたいと思っています。

4)家業支援の想い

今までは副業としか行ってこなかった家業支援ですが、今後は家業の「継続」をテーマにもっと積極的に行っていこうと思っています。やはり日本経済の復活と世界での日本の立場を強く願う我々としては、その根底にある家業(それも特に小規模家業)の存続と繁栄が鍵を握ると思っています。しかし、このキャパの企業には多数の金銭的、情報的、専門的資源が不足している場合が殆どだと感じています。その様な中で、私も家業出身者としてお手伝いできることは何かと考えると、それは家業継続の失敗経験者と家族のまとまりが欠けていた家族出身者の観点から見た「作ってはいけない環境、してはいけない継承」を防ぐことで各家業を繁栄へ導く事だと考えました。逆を言えば、これ以外なら形にこだわる事はなく、各家業の色をフルに出した継続方法を見つければ良いと言う事です。

日本国内でももう多くのコーチングや家業への支援を行っているところがあります。ですから、我々は更に掘り下げ、「次世代のリーダーシップ教育」をテーマに実務を兼ねた環境でこのテーマと向き合っていくことを決意しました。具体的には、弊社海外オフィスにおけるインターンを含めた実地研修です。不動産を学ぶのではなく、海外を学んで頂くのです。

その為にもまずはYoutubeでフリー動画を流し、一般的概念や海外事業を通して家業の存続を考えて頂くことを提案しました。動画ですので、一方的な語りになってしまう為、内容は幅広く一般的なものになっています。しかし、各動画をビジネス環境と連結させ、いかに内容が日々の海外拡張に影響してくるかについて取り上げる様にしました。そこから各家業に特化したオフライン支援を行っていき、最終的には弊社でデスクを並べて短期実地研修を体験して頂き、それを帰国後各ご家族企業で役に立てて頂きたいと思っています。現在は某上場企業の海外拡張化に伴い、来春からカスタム化されたセミナーを実施する計画になっています。

5)最後に

そして、今年一年を締め括る12月の日本出張では、やっと今後の不動産ファンドのパートナー企業との関係も土台ができたので、オープンな北米不動産投資ファンドを今後提供していく予定です。

今年一年は本当に色々ありました。学ぶことも多々あり、同時に将来へ向けての準備も着々と進める事が出来ました。特に皆様にこのブログを読んでいただき我々の考えや活動に共感していただけた事は本当にありがたい事です。

2020年本当にお世話になりました。どうか2021年も皆様にとって良い年になります様に。そして2021年もKM Pacific Investments Inc.を宜しくお願い申しあげます。

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