前回の続きで、MNP LLP会計事務所のパートナーであるMark Hoag氏に引き続きお話を伺いました。今回のインタビューでは、会計基準や変化、会計基準がもたらすカナダの国際性について触れてみたいと思います。

Hoag氏が会計士になった経緯については前週の記事をご覧ください。

2)会計基準や変化

クライアントとの関わり方に関して、近年は会計士としての職務内容も変化してきたとHoag氏は話してくれました。今までの典型的会計書類作成の依頼からアドバイスやコンサル重視の関わり方に変化してきたそうです。

Hoag氏によればこれは全ての専門職においても起きている傾向だと説明しています。弊社の関わり方もこの様に変化しているのは上記の説明からもよく分かると思います。

そして、Hoag氏は会計職についても、一般的には過去の情報を年一回アップデートして書類を作成するのが主な仕事と考えられていると説明し、しかし実際は過去の情報を分析し、将来の成長計画に役立つ提案をすることと補足してくれました。

事実、弊社ではコロナ禍以前は毎半年に各専門家とビジネスランチをする様にしていて、私の考えや弊社の方向性についてアイディアをシェアしたり、専門家からの業界の最新傾向などを聞く事にしていました。このランチの中でもHoag氏からの弊社の会計・財務傾向の説明があり、彼からの提案や注意点も得ていた事を思い出しました。

その当時、提案は弊社がまだ駆け出しの段階で、これから成長期に入っていく時期だったので、「その時にたどり着いたら」という前提で説明されたものも多かったのを覚えています。。。

今後のトレンドとして、Hoag氏はAI(人工知能)の発展により会計業界においても多くの自動化と人工知能による作業が行われていると述べています。自動化やAIは反復的日常作業においてサポートすることで、人間の知能が要する企画戦略などに時間が割ける様になると話していました。

これはコスト面からも大いに言える事だと思います。反復的作業は低コストであるコンピューターなどに頼る事で、経費の削減が可能になり経営上本来集中されるべきエリアへ更なる資本注入が可能になり、より効率良い経営体制構築が可能になると思います。

3)カナダの国際性

最後にカナダの会計基準は、今後のカナダの発展を支援し、カナダの国際性(特に資産管理方面)アピールに貢献するのか聞いてみました。

まずは、カナダの会計基準も国際法に基づいており、日本を含む多くの国と租税条約を締結しています。なので、Hoag氏曰くカナダの会計基準法上の意向は国際会計基準に反映していると説明してくれました。

その上で、カナダ特有の優遇処置である無贈与税や無遺産相続税がもたらす影響について聞いてみました。カナダには贈与税や遺産相続税は存在しません

しかし、カナダの場合には贈与や相続手順が存在し、譲渡時点では各資産があたかも売却されそれを受取人が「購入」する形を取っています。そして各資産のキャピタルゲインに対して課税され、それを「売却人(譲渡者)」が支払う事になっています。

よって、長期保持した資産を譲渡する事で、キャピタルゲインは大きくなるので、Hoag氏はこの贈与税や遺産相続税が存在しない事だけでは、カナダのアピールをする事は困難と説明しています。それ以上に、今後も他管轄(特に米国)に引けを取らない企業の所得税率を維持する事でビジネスの流入(よって移民の増加)を促すことが大事と話しています。

しかし、カナダのキャピタルゲイン税は利益に対して約13%になりますので、現状の日本の遺産相続税と比較すると遥かに優遇な処置を受けることが可能になります。また、この譲渡はそのプロセスを踏めば、何度でも取り入れることが可能になり、それなりの対処方法を持ち込む事も可能になると思います。よって、対日本のケースを考えた場合にはカナダの税制は魅力あるものだと言えると思います。

Hoag氏とは弊社設立以来の付き合いで、色々な面で多大なご支援を頂いた専門家です。今後もCFOを見つけるまではアドバイザーとして財務会計面でいろいろお世話になる事と思っています。

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