さて、前回に引き続き、2021年9月20日に行われたカナダ国民総選挙についてです。

1)選挙結果

今回の総選挙の目的はトルドー首相率いる少数与党である自由党による過半数議席獲得の試みでした。

2019年の総選挙時では338議席中、自由党(157)、保守党(121)、ブロック・ケベコワ(32)、新民主党(24)という結果に終わっており、トルドー首相は今回の選挙で過半数に及ぶ170議席獲得を目指していました。

しかし、結果は次の通りに終わっています:

338議席中
– 自由党(158)
– 保守党(120)
– ブロック・ケベクワ(32)
– 新民主党(26)
– 緑の党(2)

結果下院会の国家予算から算出された$600 Million(約480億円)は「完全な国税の無駄」や「選挙の私物化」と激しいメディアの評価に終わりました。トルドー首相はコロナ禍政策で一早い国民の生活保障や企業への財的支援を実施した評価もあり、過半数獲得は可能とみて議会を解散宣言し総選挙に踏み込んだと言われています。

しかし、同時にこの様なコロナ禍で国民が日々の生活で苦しんでいる最中に総選挙を求めたのは、「国民の私生活を無視した御坊ちゃま政治」などと裏目に出ました。また、トルドー首相自身の公約では再選挙は任期満了までは行わないと発言したにも関わらず今回の総選挙を開催した為に、彼への信頼は低下し過半数獲得が不可能だったとバンクーバーサン新聞のコラムは解説しています。また、複数の考え方が存在する中、コロナ禍ワクチン接種を実質的には義務付けした事による、反ワクチン支援家たちを切り捨てた事も今回の失敗に終わったと話しています。

2)ジャスティン・トルドー首相について

トルドー首相は歴代最少年齢の首相としてケベック州の政治家家族が生み出した首相二代目です。父親のトルドー首相の功績は多く、父親の影響とその後を行く後継者への国民からの期待も高く、トルドーJr.の実績も賛否両論ありますが、功績を収めてきていると思います。

ただ、カナダのお互いを認め守り合う国民性やジャスティン・トルドーのセールススキルに糊代がある部分では、向上の余地があると思うと同時に、もっと一国のトップとして国を纏めるリーダーシップを発揮するべきだと思います。連邦制という構造から各州の色が前に出てきてしまうのかもしれませんが、連邦レベルと州レベルでは、大きなギャップが存在している様に思います。

アメリカの51州目の州とまで言われてしまうカナダですが、そのアメリカに対して「ノー」と言う若人トルドー首相は今後もカナダを世界の舞台でアピールし国を先導して行くと思います。素質は十分持っていると思います。あとは彼の自身の性格と政治家二代目として大切に育てられた環境下からいかに脱出して自分の足で国を導いて行くか、国民の心に訴えられるかが、今後のジャスティン・トルドー首相の政治人生の分かれ目ではないかと思います。

地球温暖化から来る世界的な温度の上昇、カルフォルニア州などでは地下水層を汲み上げ過ぎてしまったことで起きている地盤沈下から来る民族移動や世界的なカナダへの移民の増加、良好な治安や教育水準を保ち、最も資源豊かな西洋国であるカナダの位置は、今後も世界の舞台で貢献する事になると確信しています。その際に現状の田舎国カナダではなく、世界に目を向け、世界基準で物事を考えられることが今後のカナダの課題だと思います。よって、トルドー首相にもヤンチャなケベックの少年から成長し、長期計画のもと国を統一するリーダとしての期待は大きいと思います。

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