今回のプロフェッショナルは不動産仲介業者に焦点を当て、お話ししていきたいと思います。様々な仲介業者があり、その中でも多くの業者が存在している不動産業界ですが、今回は弊社がチームメンバーとして非常に信頼しているColliers InternationalのDan Jordan氏に、彼の経歴やこの業界に入った理由なども含め不動産業界について話してもらいました。

1)Dan Jordan氏について

まず最初にJordan氏についてですが、彼はバンクーバー出身です。大学はビクトリアのビクトリア大学を卒業し、その後バンクーバーに戻り不動産業界に参加しています。ですから、Jordan氏はバンクーバーにおける近年の国際的発展を市民として、そして不動産業者として見てきています。

まずJordan氏に不動産業界やコリアーズへの入社を決めた理由について聞いてみました。彼はB2Cではなく、B2Bの環境での仕事を求めていて、不動産に興味を持っていた事を活かし、バンクーバーの不動産業界の中でも知名度が一番高く、大企業であったコリアーズに入社したそうです。同社はバンクーバーで始まった企業で今では世界的規模で活動し、知名度としても世界的トップのフルサービス不動産会社です。

仲介業者は長年存在していますが、昔は一般営業と同じで契約の質より件数が先行する業界でした。よって、人間関係は安定しておらず、仲介業者とはテナントをつける上で致し方なく連絡する”その時限りの人間関係”というのが業界の理解でした。

そんな業界の中で、Jordan氏は自らの過去17年間の経験を振り返り、仲介業者の役割が先ほどお話ししたセールスマンから信頼おけるアドバイザー役でコンサルタント役に変化したと話してくれました。やはり仲介業者が不動産業界の中では情報を一番豊富に持っているので、それが活かされないのは、宝の持ち腐れというものです。

コンサル的な役割としては、仲介業者から市場の流れをヒアリングし自らの戦略を調整するというのが代表的な仲介業者との新しい付き合い方になっています。例えば、現在弊社で検討中の物件においては市場のテナント需要の流れを聞き込んだ上で、改築プロジェクトの完成品をロフトタイプにするか物流倉庫にするか判断するなどはいい例です。弊社では今回はJordan氏から市場の需要を聞き入れ一般物流倉庫にすることにしました。

仲介業者としての成功の素についてJordan氏は「顧客のニーズを第一に考えること」と説明してくれました。これに付け加え、Jordan氏はもし目先のディールが他社に渡る結果になり短期的には「負ける」結果になったとしても、顧客のニーズと目的を最重要視する事で長期的な「勝ち」を得られる事になると、勝ち残りの法則を語ってくれました。この「法則」の意味は深く、Jordan氏自らの成功を物語っています。40歳前でSenior Vice President(常務又は専務)に昇格、Jordan氏はバンクーバーのオフィス仲介市場では一番活躍している一人として出世街道を駆け抜け、その立場を確立しています。

2)不動産仲介業者という仕事

Jordan氏のモチベーションの源について聞いてみると、「ディールを締結させる興奮」だそうです。まさにこの職業はJordan氏にとって天職だと思うほどに、朝早くからよく働き、北米をかけ回っています。

仲介というのは各自の性格が素直に出てくる職業だと思います。Jordan氏も駆け出しの頃は朝から電話を掛けまくり、自己紹介をする為に話し続け、会話になるまでにも殆どの電話が断られる日々だったはずです。そういう中でも大家や顧客開拓に走り回るのが仲介業です。以前のブログでもお話ししましたが、私は仲介に向いておらず、3ヶ月間経験しましたが一つもディールが締結できませんでした。

よく言われるのが、若いうちは寝る暇も惜しみ働き、若人時に人生分稼ぎ、早期退職し、優雅な生活を送るというのが業界内で語られる「生き方」です。仲介業界では自分が稼いだコミッションの半分(役職レベルにもよりますが)をハウス(雇用主企業)に収めるのが一般的です。これは会社の経費をカバーするだけでなく、一般社員の給料などが支払われる源になります。

同時に上級社員へのインセンティブとしても再分配されます。よって、昇格するにつれ、この分配比率が上がり、上位ポジションにつく事で、自分の収入のみでなく、部下が納めた分も自分の収入の一部として入ってきます。このシステムは会社の経費を賄うだけでなく、常に上級社員が部下を指導し向上させるインセンティブになっています。

4)10年後のバンクーバー市場

10年後のバンクーバー市場について予測してもらいましたが、Jordan氏は「壮健(Robust)」と一言で表現しています。理由には、バンクーバーのインダストリアル市場は港湾に隣接している為、今後も高い需要が継続すると話しています。インダストリアル用地の減少も兼ね、需要が供給を大幅に上回り賃料や地価もすごいスピードで上昇しています。同時にオフィス市場は継続して最も求められている北米市場の一つだと説明してくれました。

立地(アジアに一番近い街、米国境に近い)、ハイテクが盛ん(起業し易く、米西海岸時間帯と同じ、高労働者水準)、高教育水準、環境(海と山と水資源が豊富)、物流拠点、などが需要継続の理由として挙げられます。

Jordan氏には全てのプロジェクトに関わってもらっており、今後も彼に全ての仲介業務をお願いしていく予定です。

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