明けましておめでとう御座います。読者の皆様にとって、2022年は明るく、またご繁栄の年になる事を心からご祈念致します。さて、2022年最初のブログとして、今回は2022年の展望と抱負についてお話ししたいと思います。
1)展望
コロナ禍の経済・社会への影響
やはり、何処のメディアでもホットトピックとして取り上げられているのが、オミクロン変異株です。現時点で確実な防衛策や治療薬も出ていない中、地道に対策を考案している状況です。感染者数は高いものの、威力は当初のコロナ禍ほどではないというレポートも入ってきていますので、最小限の影響に収まる事を祈るばかりです。
その様な中、バンクーバーでは再度大人数での会合や集会を禁止する旨の規制が発表されました。少人数で集まるレストラン外食などは可能ですが、やっと復活の兆しが見えていた外食産業には新たな打撃になっています。この一時的な逆戻りによって、サービス業界の雇用確保対策にも遅れが出ると思います。
また、雇用の流れから建築業界などでも人材が不足しており、この先の新規開発プロジェクトに多少の遅延が起こるのではないかと予測します。しかし、現在もほぼ満床である5%レベルの空室率は今後も新規物件への需要を排出し、新規オフィススペースを確保するのは継続して困難だと思います。
同時に1月からRTOを実施する企業も増え出したせいか、日々弊社が入居しているオフィスタワーでもエレベーターの利用者数が上がっている様に思います。去年は本当に人に会う事はなかったですが、今年に入ってからは殆ど毎日エレベーターを相乗りする状況です。フル復活からは程遠い状況ですが、兆しが見え出しているのかもしれません。
またカナダでは、物流面で物資の流通に大きな影響が出ている事や地球温暖化を原因とする異常気象から来る洪水、大雪などで農林水産業に大きな影響が出ています。各経済誌や経済研究者はこれらがカナダ国内の価格上昇につながり、食料品については5から10%以上の価格上昇になると予測しています。
一般的な経済状況については下記に述べる米経済状況と同じで、「持つ者と持たざる者(Haves and Have Nots)」の差が一層顕著になって来ています。経済の中でもITなどからの投資などで財産を増やす富裕層がいる中で、雇用先に困る職難民も出て来ています。
カナダも米FRB同様に金利の引き上げの準備に入りましたが、現在のオミクロン変異株の影響や偏った経済成長の影響から金利の引き上げには十分注意した対応をすると思います。
よって、私のカナダ経済についての予測は、上半期は現状維持とされ、下半期(それも年末に近い感じで)は全体的な経済の上昇が計測されたらば、多少の金利上昇も実現するかもしれないと思っています。
首都クーデターと米経済
米国でもコロナ禍については深刻な状況になっていますが、それ以上に今取り上げられているのは、去年の連邦議会乗取りのクーデターについてです。1月6日が一周年「記念」という事もあり騒がれていますが、政治的面では両政党(民主党と共和党)間での信頼が全くなく、議会でも建設的な話し合いより、お互いを攻撃し合う状況が続いている様です。
11月の中間選挙に対しての攻防戦が影響しているのかも知れませんが、経済的回復策より政治をベースとする社会的信頼の回復が優先事項の様に思います。
元トランプサポーターの中では(多分人数はだいぶ減っていると思いますが)、未だに前トランプ大統領の大統領権は奪い取られたと考えるサポーターも多い様で、カナダにいてもトランプ氏の再出馬案が聞こえてきます。前回の選挙結果と現バイデン大統領への指導者としての批判も増えているのが、更にトランプ氏再浮上案を裏付けているのかもしれません。
しかし、経済を全体的に見て、昨年連邦準備理事会が発表した資産買戻し中止策を筆頭に、2022年中には段階的な金利引き上げ策を打ちあげていますが、個人的にはこれら懸念されているインフレは部分的なものであり経済全体を引き上げる様なものではないと見ています。
また、現在懸念事項に出ている資源をベースとするコモディティー価格の上昇は季節的なものであったり、耐久消費財への個人消費はコロナ禍で使う事が出来なかった財産の一時的な捌け口だとみています。
よって、カナダ同様、米でもオミクロン変異株の影響は今後も停滞し、全体的な経済成長への道のりはまだ先だと思います。
2)抱負
この様な状況の中、弊社では過去12年間で最大の事業拡張と市場拡張を予定しています。今までバンクーバー所在の会社である事や、バンクーバーの将来を考え、ここバンクーバーでの不動産投資を集中的に考えて来ましたが、2022年はアメリカ市場も含めて考えていきたいと思っています。よって、弊社が常に強調するリスクヘッジ面からも、弊社はバンクーバーとアメリカ西部、西北部を中心とした不動産投資を行なっていこうと考えています。
業務展開としては、現在大型ファンドからのエクイティー供給のお誘いもあり、Fund of Fundsを立ち上げ米市場で物件購入を継続していく事を検討中です。このFund of funds体制は他のファンドにおいてもコピー可能ですので、弊社としては我々のファミリーオフィスなどとのコンタクトを最大限活かし、他のところからの出資募集も現在検討中です。
対象物件カテゴリーとしては、バンクーバー同様のインダストリアルを狙っていきます。組成するポートフォリオも少数物件は現状維持のインカム物件になると思いますが、大半は弊社の強みを活かした改築を用いたバリューアド物件を対象に考えています。
今までのブログでもお分かりの様に、バリューアドと言っても幅は広く、改築の幅も大きく存在します。弊社としては、Frances Street物件で用いた様なマイナーな改築と化粧直しで最大の利益を得る手法を主に用いる中、1〜2物件はAlexander Street物件の様な大掛かりな改築物件を狙っていこうと考えています。
現在弊社が考えている市場はワシントン州とオレゴン州です。場所によってはネバダ州やユタ州などのセコンダリー市場も十分魅力的だと思います。やはり、これら二番手市場は地価が比較的安い中、立地条件、環境的条件や社会成長ポテンシャル(地方大学の存在やそこからのベンチャー発足など)も踏まえ、今後の成長を十分秘めていると私は個人的には思っています。
弊社は常に市場トレンドの先を読み取る様にしていますので、近い将来を見据えるとやはりこれら二番手市場の方が大きな魅力を抱えていると思っています。
じゃあ、なぜ、カリフォルニア州がこの候補に含まれていないか疑問に思われる方もいらっしゃるかも知れません。私個人的には、カリフォルニア州は全体的にシアトル市やバンクーバー市同様、投資上の価格範囲を超えてしまっていると思っています。また、カリフォルニア州は民主党が強く、不動産業界の新規条例や法律の多くはカリフォルニア州から発足しています。よって、以前枡田がカリフォルニア州で物件を所有していた時も、ビル協会から事前報告はあったものの、新規条例の対応には時間と浪費を費やしたものです。
また、地球温暖化により資源の減少(特に水)から、カリフォルニア州では地下水槽の水を多く汲み取っており、地盤沈下被害が多く出ています。この被害は今後更に進むとみており、湾岸線消滅も冗談ではないと思うほど深刻な問題だと弊社ではみています。
この様に複数物件への投資を同時進行させていく為にも、現在既に新規チームメンバーの募集をかけています。弊社は常に少数のプロ集団として活動して参りますが、最低限の人数は必須です。その最低の人材力を確保する為にも、2022年は将来活躍できる人材確保をしていく予定です。
また、弊社には「お金がなる木」は存在しない為、今後も投資家募集活動を継続していく必要があります。その結果、投資先の現地部隊やコーポレートの考案部隊だけでなく、日本や投資家募集活動拠点においての人材配備についても現在検討中です。
現在は複数のパートナー企業様と切磋琢磨させて頂く事で自社の人材配置はまだ節約出来ている状況ですが、この辺についても2022年上半期中に検討して進路を決めていく必要があると思っています。
さらに、弊社は1970年代から北米で活用している邦人企業として、「日本を世界の舞台に載せること」に貢献することは、弊社の長期社会貢献事業の一環だと考えています。そう言った面でも、次世代の世界で通用するリーダー育成事業の開発や日本経済の根底を支える小規模家業の繁栄を支援する業務や情報発信も随時行なっていきたいと思っています。
今回の抱負で語らせて頂いたもの全てが短期間で達成できるもの、というわけではありません。時間がかかるものも複数ありますが、皆様にこうやって文字化してお伝えする事で弊社の社員全員が再度、弊社発足の意味や目的を確認する為でもあります。
2022年元旦を機に弊社は今まで以上に北米社会の中で活動する邦人企業として邁進し、KM Pacific Investments Inc.にしか出来ない業務と目的を全うしていく所存で御座います。
これからも引き続きのご支援を宜しくお願い致します。
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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