弊社の組合構成はあくまでもカナダの市場に沿った内容で設立して行きますので、日本の投資家のみなさんがご経験されている内容とは違うかもしれません。今回のブログでは、弊社の投資勧誘が目的ではなく、弊社の具体的な例を取り入れたカナダ市場の現状と可能性の概要を皆さんにご説明したいと思います。具体的な組合の内容については、次週のブログでお話ししたいと思います。
組合運営社が組合を設立する事で、ポートフォリオの拡張、収益の増加、事業の拡張などが運営会社の利益として主に挙げられます。同時に、投資家にとってのメリットは、1)リターンの最大化、2)ポートフォリオの国際化、3)不動産を活用した資産運用、4)投資費用の鮮明化などが存在します。
1)リターンの最大化
日本国内の不動産投資では、3%ほどが妥当なリターンと聞いています。こちらでもバイ・アンド・ホールドでは3%程の利益しか望めません。日本でも、雑居ビルなどの再開発も行われていますが、企業内での入居需要度は低いと思います。日本ではやはり高品質なオフィスビルへの入居がステータスになっていると思います。その点、カナダや米国西海岸などでは、差別化を図る意味でも、古いデザインの雑居ビル(煉瓦造りなど)や、ロフト化した元倉庫ビルなどへの入居希望が絶えません。ある意味そういう物件に入ることが、「クール」だったり、「トレンド」にのっている企業と思われています。
弊社の第一物件では、元倉庫を改築する事で、年間賃料が初年度だけでも平米約15,000~20,000円上がりました。この上に共益費が足される為、これら増加賃料は直接な利益になります。再開発で区分所有用に売却する場合にも、平米290,000円ほど(平方フィート賃料$13@4.50%キャップ)の家賃が650,000円程に上がる想定です。その上、再開発前の物件は平屋が多く(よって、容積は100%未満)、再開発では容積を最大化する事で、300~500%まで有効活用できます。そして階数が上昇する毎に、売却価格は毎平米約500,000円程増額する為、投資家には約2年間の投資期間で15~18%年率手取り利益が想定される事になります。
2)ポートフォリオの国際化
カナダは日本国外である為、日本国内のマイクロ経済には通常影響されません。よって、海外を使う事で、ポートフォリオのバランス化が可能になります。今までにも、東南アジアなどの物件を使ってバランス化された方々も多いと思いますが、この場合には、物件や投資先国の経済状況や信用格付けが影響します。カナダ国、ブリティッシュ・コロンビア州、バンクーバー市の全3レベルは全て最高のAAA(S&P)で格付けされており、アメリカのAA+より上になります。また、カナダ中央銀行は、前回のリーマンショク時でも数時間内という驚異的なスピードでマネタリー対策を導入した事で、リーマンショック影響を排除しています。
ポートフォリオのバランス化の目的は資産のリスクレベルを軽減し、安定した運用を行う事です。その上でも、カナダー日本間は経済的依存関係にない為、日々の経済紛争や状況に影響される事なく、分散化には適していると思います。また、それぞれ経済的に独立し安定している安心感も存在すると思います。
3)不動産を活用した資産運用の提案
不動産を活用した資産運用は新しい事ではありませんが、不動産は未だオルタナティブ商品とみなされ、主流商品としては未だ扱われていない気がします。その理由の一つに不動産運営実務が思う以上に難しい事にあると思います。しかし、安定化した不動産物件は、家賃収入からくるインカムゲインと売却からくるキャピタルゲインの二通りの収益を生む商品になり、長期的で計画的なポートフォリオ運用を可能にします。また不動産では、賃料や諸経費の払い戻しが契約上インフレ率に沿って増加するため、インフレ対策にも効果的な商品です。一番の重要点は現物出資である為、投資資産がゼロになる事はなく、負にもならない事です。
4)投資費用の鮮明化
これは弊社などの様な一ファンド一物件という限られた形で運営する場合ですが、物件運用にかかる経費全てが明らかになり、組合のパフォーマンス精査が可能になります。通常のREITの様な複数の物件を含める投資ファンドでは、なんのコストが何のために使われたのか、また妥当な費用がファンドの経費として使われているのかが明確ではありません。結果、色々なフィーを引くと投資家への本当の利益が考えていた以上に少なかったなんて事も良く聞く話です。REITでは、投資家利益率と運用利益率が異なる事は知っておくべきだと思います。
また、どの様な費用項目が設けられているかも重要なポイントになります。一般的組合・REITでは、組合設立費、組合運用関連事務経費、投資家資金調達関連費、物件取得費、融資取得費、購入・売却時調査費、アセット・マネージメント費、プロパティ・マネージメント費(通常はテナントから徴収)、物件関連人件費、プロジェクト交渉費、成功報酬、利益分割等色々な費用が隠されている場合があります。もちろん、これらが全て各ファンドに取り込まれている訳ではありません。この様な膨大なフィーを稼ぐためにも、各ファンドはサイズが要求され、複数物件が取り込まれる必要性が出てきます。ちなみに、弊社では、各物件の大きさが約10億円相当ですので、上記全てを組み込んでフィーを搾り出すだけの利益は出せません。弊社のターゲット投資家リターンが15~18%の場合には特にです。よって、弊社では購入・売却時調査費、アセット・マネージメント費と利益分割を頂いています。
では、また来週のブログまで。今週も皆さんにとって、バイタリティー溢れる一週間であります様に。
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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