さて、この辺でまた大きく舵を切って、数名の読者から頂いていた次世代の教育についてお話ししたいと思います。以前にもお話ししていますが、私の場合は日本の教育制度では「中学中退」になります。(笑)中学2年が終了した時点で、カナダのイギリス系ボーディングスクールに編入しています。私が編入したSt. Michaels University Schoolは完全な全寮制学校ではありませんでしたが、私が通っていた1980年代では、おそらく全校生徒の4割程度が寄宿舎生だったと思います。
その後、私は3校の大学に通い、2校から学位の単位を貰いました。数年間の職務の後にExecutive MBA(管理職向け経営大学院)を卒業しました。このブログでは、卒業校の数や学位が大事ということではなく、これらプロセスを経験したことで得られた、学問と実務の関連性や次世代(子供達)の教育方針や考え方をシェアしたいと思います。
1)枡田の考え
では本題です。「学歴はキャリアパスと相関性があるのか?」と言う事ですが、答えは「Yes & No」だと思います。当時も言われていましたが、学歴は「入場券」にしかなりません。学位であれば、義務教育の後も4年間「耐え、与えられた課題をこなした」という証明ぐらいにしかならないと、個人的には思っています。実社会経験がない、または限られているため、実務環境に参加しても即戦力になれないのは当たり前です。また、「学問上では」や「理論的には」という話をするにも、学位レベルでは十分な学識的知識も備わっていないのが現状です。また、デスクに向かった勉強からは、各業界の流れや実務を理解するのは不可能ですし、そのような事を求める方が間違っていると思います。
2)高学歴の場合
大学院でも私は同じだと思います。よく昔、家業の先代が大学院卒業者に対し「実務家としては使えない」と嘆いていたのを覚えています。また、某金融経験者の実業家は「社会へ入る入場条件が高くなった為に、修士が必要になった」と、もう十数年前の話ですが、説明してくれたのを覚えています。大学院事務局もMBA学歴と実務遂行力のギャップには気づいており、「致し方ないギャップ」と説明していました。学士を卒業して約2年後ぐらいで大学院に入学しても、それほどのレベルの仕事をしてきたわけではないので、実社会経験が限られているのは当然だと思います。私が大学院に通っていた頃、通常のMBAに参加していた生徒たちとも話す機会がありましたが、彼らもMBAを使って良い仕事に就きたいというのが本音で、学んだ事を実務で活かすには限りがあると思っていたようです。
私が通った管理職向け経営大学院では、ほとんどが企業負担で通う中間管理職者でした。そして9割ほどの卒業生がスポンサー企業に昇格する形で戻り、新規業務に没頭していました。私の場合は家業でありながらも、経営方針が先代と異なり、またアメリカの会社が閉鎖されたこともあったため、日本に戻り不動産機関投資家企業に入ることとなりました。
3)結論
結局、実社会で大事なことは、そのリアル環境に入ってからの貢献度だと思います。実際にどのような基本を用いて、雇用主企業の成長に貢献できるのかということが問われます。上記の通り、大学院でも「学んだ事を実務で活かすには限りがある」と申し上げましたが、修士レベルであれば、最低でも学んだ理論をベースに自分なりに動く事が求められます。ただ、求められているレベルに見合ったものを提供できるかどうかは、また別の問題です。
よって、大学院でも学士でも卒業証書は各環境で「与えられた課題をこなし、生き抜いた」という実績の証明であり、次のステップへの入場券なのです。
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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