カナダ、バンクーバーの今日の天気は雨です。バンクーバーは元々「レインクーバー」と言われるほど雨が多い地域になります。11月や12月になると月の半分以上が雨になります。

しかし、年中通して空気が乾燥しているので、雨が降っても不快なほどの湿気は感じません。例えば、日本でレインコートを着ていると湿気でレインコートの中が蒸されてジメッとすることもありますが、こちらだとそんなこともなく雨の日は冷えるなぁという印象です。

余談ですが、冬場はバンクーバーは曇りや雨が多いため日照時間が少ないです。2週間ずっと曇り空なんてこともよくあります。そのため、気分が落ち込みやすく精神面でのバランスを崩しやすくなるので、それを防ぐためにサプリなどでビタミンDを接種している人が多いです。私もサプリとは無縁でしたが、家族や現地の友達の勧めでビタミンDだけは定期的に取るようにしています。

さて、今日は先日訪れた物件についての感想を述べてみたいと思いますが、その前にご説明しておきたいことがあります。私は不動産投資会社で働いていますが、物件の購入・売却といった不動産投資の実務には携わっていないので、お恥ずかしいことに自身の好奇心の範囲内に収まる程度の知識しかないと思います。ですので、もしかしたら読者のみなさまの方が不動産もしくは不動産投資に関する知識も経験もお持ちかもしれませんので、そんな時はコメントやアドバイスなどいただけたらとても嬉しいです!

バンクーバーのダウンタウン

我々が前回訪れた物件はバンクーバーのダウンタウンから東に車で10分ほどの所でした。そもそもバンクーバーのダウンタウンがどんな所かというと、ガラス張りの高層ビルとレトロなレンガもしくは石造りのビルが混在しており、私のイメージですと新横浜に近いかなと思います。

商業不動産, 海外不動産投資, 資産運用, バンクーバー, カナダ
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ダウンタウンの西側はブティックが立ち並んでおり、小さな表参道といった感じです。

ただし、ダウンタウン全体を円として捉えた時、その中心から離れるにつれて高層ビルも少なくなり建物も古いものが多くなります。私なんかは自身が入居するビルであれば、新しくてアメニティも充実した高層ビルが良いなと思うものですが、こちらの人は古いレンガ作りのビル=歴史を重ねた分だけ趣があり、他のガラスビルとは一線を画しており、差別化を図ることができると考えるテナントさんも一定数いるようです。企業のブランディングに貢献しているのかもしれませんね。

訪れた物件

【物件概要】
売り出し価格:4.8MMカナダドル
所在地:バンクーバー東部、バンクーバー中心地から車で10分
物件の種類:1階+中2階の倉庫物件
サイズ:8,600 sqft

該当する物件はダウンタウンの中心から東に車で10分ほどの場所に位置します。周辺を見渡すとダウンタウンとは全く異なる雰囲気で、まず地上3階以上の建造物が少なかったです。そのおかげで、青空がいつもより近く感じたように記憶しています。ロットが大きい平家型の倉庫もあれば、横幅が15mに満たない小さな倉庫もたくさんあります。倉庫街であって工業地帯ではないので、建物はモダンカラーを基調とした、四角くてマインクラフトでも再現できそうな街並みでした。

ちなみに今回仲介してくださったのはCBREという超大手不動産仲介のダレンさんという経験も実績も豊富な方です。知的な雰囲気が漏れ出ています。この方にお会いするのは初めてでしたが、ブローカーは大体みなさんフレンドリーです。

そんな中、私たちが訪れたのは、シンプルな色味の中で一際目を引く赤色の1階+中二階の物件でした。

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聞いてみると、現在2つあるスペースのうち、1つのテナントさんが酒造所兼バーを運営しているとのことでした。残念ながら訪問した際には開店前でお店の中の様子を直接見ることはできませんでしたが、インターネットで調べた限り、倉庫の無機質さを活かしたおしゃれなバーでしたよ。

この周辺エリアなのですが、酒造所やビール工場が多いです。歩いて5分もかからないところに3、4件の酒造所兼バーがあります。このエリアに酒造所が密集しているのには理由があって、一般的なお酒を作る酒樽の高さが16フィート(5m弱)にもなるそうなんです。
もちろんカスタムオーダーすれば小さいサイズの樽を特注できますが、その分初期費用が余分にかかってしまいます。

そういった理由もあり、レギュラーサイズの酒樽が入るような天井が高い、かつ10,000sqft (1,000㎡)以下の倉庫物件が酒造業のテナントには好まれているという状態のようです。また、ダウンタウンからも車で10分程度なので集客の便も悪くないというカラクリです。一生懸命働いた後の一杯をどこでいただくか、その日の気分でお気に入りの地ビールを求めて2-3件近場でハシゴできるのは羨ましいです。

さて、物件に関して表はパッと目を引く赤色でしたが、窓部分を見てみると格子窓になっていました。日本にいるときはあまり見かけなかった気がしますが、こちらバンクーバーではこのエリアに限らず格子窓はよく見かけます。やはり防犯面だと思いますが、こういう些細な部分が自分は海外にいるのだと思い出させるきっかけになります。日本では閉店後のお店ではシャッタードアをよく見かけました。こちらではシャッタードアはあまり見かけずに、黒い格子がセキュリティドアとして設置されていることもあります。

中に入ってみた

中に入った時の第一印象は細長いな〜でした。床はコンクリート打ちっぱなしで、窓も高くいかにも倉庫!という印象です。入り口から見て正面の上方にスペースが確認できます。

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これはMezzanineという中2階のスペースです。パンフレットにもそのように書いてあります。ここで疑問だったのが2階と中2階では何が違うのか?です。

私は、中2階というのはオープンなスペースで、どちらかというと踊り場のようなものを想像していました。ですが、この物件に関しては中2階と言われる部分は壁でしっかりと覆われており、実際足を踏み入れてみると2階部分と言われても疑いようがありません。

では、何をもって中2階というのか簡単に調べてみました。

Mezzanine(メザニン)とは

・1番最初の語源は中間を表すラテン語の”medianus”から
・床と天井の中間にあるスペースのこと

40%ルールの場合
・中2階と定義するためには中二階の面積が5,382sqft(500㎡)以下である
・中2階の面積が、建物の総床面積の40%を超えないこと
・中2階には3’6”(1.07m)を超える視覚的な障害物がないこと
・中2階には1.07mを超える仕切りのある閉鎖空間(部屋)を含めることができるが、それは開放面積のうち10%を超えない場合に限る

10%ルールの場合
・中2階の面積が、テナントが占有している総床面積の10%を超えない
・中2階の面積が、その階の10%を超えない

ということでした。

?(・ω・`)

これが全てではなく国際建築基準法やBC codesなるものもあるそうです。(諦めました)
ただこの前提だと、”中2階”部分が明らかに壁に囲まれていて、それが開放面積の10%超えているように私には見えるので、この物件は中2階ではなく2階なのでは?と思ってしまいます。

ポイントとして、中2階というのは1階や2階として増床するよりもコストが抑えられて、なおかつ行政/建設期間的にも早いので、スペースを最大化しつつ、利益を最大化したい場合に使われる手法だそうです。

ちなみに「Mezzanine vs 2nd floor」とかって検索するといろんな記事が出てきますので、お時間のある方はご自身でも検索してみてください。参考までに、私は英語で比較検索するときに「vs」をよく使います。記事などを検索する場合はdifferenceやcompareを、いわゆるクチコミや書き込みを検索したい場合はvsを使っています。主にRedditなどを活用する場合です。

さて、次にパッと目に入ったのは、物件の左端側に並んでいた黒い柱です。

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動画内でも指摘されていましたが、あの柱がとても中途半端な位置にあるんです。この物件はオフィスではないので、テナントさんによっては中型〜大型の工業機械が入る可能性もありますし、スペースを有効に活用しようと思った時に、あの柱がどうにも障害になってしまいそうです。

柱があのような位置にある理由は、実はこの物件は元々1ユニットだったものを中間に防火壁を入れることで2つのユニットに分割したものだそうです。画面左側に見えている白い壁がまさにその防火壁で、その壁の向こうには同じようなテナントスペースがもう一つあります。(そこに前述の酒造所さんが入っています)ですから反対側のテナントスペースにもおそらく同じような位置に柱があると想像しています。

この柱については構造上の問題、つまり建築家や建設技術者に聞く案件なのでダレンさんから明確な返答はいただけませんでしたが、パンフレット上で確認するよりも、間近でみた時にこの柱の不便さというのが際立っていたように思います。

違法建築

さて、会話の端々に「許可されていない」とか「違法」などというワードが散見されます。

これはどういうことかというと、通常増床をする場合には行政に申請を出して、それが承認される必要があります。しかし、この物件のオーナーさんはその手続きをスキップした、もしくは承認が降りなかったが増床を強行した、のどちらかにより、市が許可していない改築を行ったということです。

そして、この物件の区分は倉庫なので本来は住人がいてはいけないはずなのですが、中2階部分に従業員さんを住まわせているということです。ここだけ聞くと問題ありありな事故物件のような感じですが、バンクーバー市内の古い他物件でも同じような例を見たことや聞いたことがありますので、パンフレットやネットの売り出しページには掲載されないリスクとして、常に頭に置いておきます。

市も違法建造物があるということをすでに認識しているようですが、違法建造物の是正やペナルティに関して、現オーナーではなく新オーナー(購入者)が負担することになるということです。この物件を改築目的ではなく、全て取り壊して開発するのならともかく、こういった現状は購入者にとってもネガティブな要素になります。

売り出し価格は850㎡に対して4.8MM(ミリオン)なので、約4億3000万ほどだそうです。バスケットボールのフルコート1面が420㎡だそうなので、単純計算ですと4億超出してバスケットのフルコートを2面買うようなものです。どこの大富豪だ、と言いたくなります。

開発業者視点でいくと、物件が小さすぎたり、改築できる部分が小さすぎると、改築バリューアップからの売却キャピタルゲインを生み出すのが難しいというのが本音です。

バンクーバーの倉庫物件はCOVID-19の影響知らず、依然空室率も0.6%(!!!)で、スーパー売り手市場です。価格も継続して上昇しています。ですから購入して1年〜3年持っているだけでも数%のキャピタルゲインが発生してしまうそうです。(現時点での話)

これにはプラス要素もマイナス要素もありますが、上司からは「このバンクーバー市場のトレンドが一般的だと思わないように」と口を酸っぱくして言われています。どうやら私たちはクレイジーな市場のど真ん中にいるようです。それを自分の言葉で説明するには、あまりにも経験と自己研鑽が足りません。ですが、引き続き、加熱している市場を見守りたいと思っています。

反省点

そして、Youtubeの動画撮影に関して、今回ビデオで撮影してみて本当にダメダメだなと思い知らされました。例えば、
・カメラアングル
・カメラの揺れ
・音声の録り方(雑音)
・大事な部分が映っていない
などなどです・・・。お見苦しい部分がたくさんあったと思います。

画面が揺れて酔ってしまわれた方がいたらすみません。正直、ビデオ撮影のスキルが内容を邪魔しているなと思う部分がたくさんあります。悔しいです。

スマホ画面に集中すると、演者さんたちの会話が頭に入らない
→Zoomにしなくてはいけない部分を取りこぼす

演者さんたちの会話に集中する
→画面がぐわんぐわんするし、いつの間にか演者さんが画面から見切れちゃう

肝心な部分が映っていない

挙げ出すとキリがありません。次の出す予定の動画も連続で撮影しているので劇的な変化はないのですが、それでもその次に撮影する機会があれば、今回ダメダメだった部分を1つずつクリアできるよう努力するしかないなと思います。一番大事な内容も考えていかないといけません。(幸い、撮影自体は楽しいと感じています)

まずは100人の方に見ていただけるようがんばります!
ここまで読んで下さってありがとうございました。

KM Pacific Investments Inc.スタッフ
Taka

島根のド田舎からカナダのバンクーバーに渡り、不動産投資会社で奮闘中。現地の商業物件の様子や、日々の生活の中で生まれた些細な疑問を発信していきます。(物件のご紹介等は行っておりません)好きな言葉は「やらない後悔よりやって反省」。