この11月に改定された建築基準法により、MULTIPLEXと言って一軒家の土地に複数の居住スペースを建築する事が可能になる事は、今までのブログでもお話ししてきた通りです。ただ、最終的改定基準法では母屋に3軒の住宅スペースが含まれる格好になり、弊社の現状のプランは受け入れられない事になってしまいました。
City of Vancouver: Housing options in lower-density areas
選択肢は数か利益か!!
これに伴い、現状存在する今後の選択肢は2点あります:1)現状のDuplexで進め、速やかに竣工させ、次のプロジェクトへ進む。ただ、このシナリオだと、利益がほとんど出せず、次のプロジェクトで回収は出来るものの、投資家としては今後の組合募集時に困難な状況となることが予想されます。2)現状の建築申請を断念し、再度新たに改定が導入された後に、母屋に3軒作る構造を取り入れて申請する。プロジェクト期間が約1年延長しますが、新規コストを含めても71%(年率24%)の利益率が達成可能になる想定です。
社内でも色々なディスカッションを行った結果、今回は時間を掛けてでも選択肢#2を選び、投資家としての意地を見せる事にしました。
Duplexにおける申請準備はお金がかかりましたが、良い練習になり、多くを学びました。これら費用はMultiplexを着工していく事で、全額回収可能と見込んでいます。
Duplex申請の経験をMultiplexで活かす
Multiplexを継続して進める為には、現在の各業者との契約を再締結する必要があります。契約の概要に変更することがなくても、仕事の内容や所要時間が変わることで、各コストが変わってきます。中でも、建築家とインテリアデザイナーは時間で契約されている為、契約の巻き直しが必要になります。
建築基準法の改訂は可決されましたが、導入は12月半ばからになります。そのため、我々は再度デザインと図面を作成し、構造と省エネの観点から、再度審査を受ける事になります。これらの業者もDuplexを通して仕事の技量をすでに見ているので、効率の良い準備が可能になると思っています。通常のデザイン面での可能性としては:1)Duplexプランを2〜3階に持ち上げる事で、新たな1階部分を継ぎ足して3棟にする、または2)日本でもよくある鉛筆型住宅を3棟並べて建設するか、のどちらかになります。ただ、今回の物件は土地の奥行きが浅く、上下に継ぎ足すと高さ制限を超えてしまうため、選択肢#2がデザインの方向性になります。
スケジュール面でも、多少のセットバックにはなりましたが、Duplexの申請も1ヶ月ほど前にした事を考慮すると、数ヶ月ほどの遅れになるのではないかと予想されます。ただ、この新規改正により申請数が大幅に増えているとのことなので、多少の遅れは仕方がないというのも事実です。よって、結果的には6ヶ月ほどの遅れが出ると思われます。
進行中のニュープロジェクト: 2995 Adanac Street
プロジェクトの新利益率
こちらが再申請した後のプロジェクト純利益分析になります。当初は73%の利益を見込んでいましたが、デザインの再提出で期間とコストがかかり、利益が66.26%まで下降すると見込んでいます。ただ、最大で3年間かかったと仮定しても、年率利益幅の22.08%はどの不動産プロジェクトにとっても魅力ある投資利益です。今後はこのスケールでのプロジェクトを複数並行して取り掛かる事で、利益幅をさらに拡大できると考えています。
Sale
Sales Price | $4,062,500 |
Yr 1 Cost | $938,224 |
Yr 2 Cost | ($136,211) |
Acq Mortgage | $1,302,840 |
Construction Mortgage | $1,052,772 |
Bank Fee | $0 |
Extended Period | $67,000 |
Brokers Commission | $68,319 |
Proceeds | $654,746 |
ROIC | 73.81% |
増額コスト
Redesign | $15,000 |
Interior Design | $15,000 |
Structural Design | $2,500 |
Heat Advisor | $2,500 |
D&B Permit | $32,000 |
Total | $67,000 |
計算に含まれている増額費用
Property Tax | $6,000 |
Insurance | $2,000 |
Mortgage Interest | $97,000 |
Total | $105,000 |
こちらが再申請した後のプロジェクト純利益分析になります。当初は73%の利益を見込んでいましたが、デザインの再提出で期間とコストがかかり、利益が66.26%まで下降すると見込んでいます。ただ、最大で3年間かかったと仮定しても、年率利益幅の22.08%はどの不動産プロジェクトにとっても魅力ある投資利益です。今後はこのスケールでのプロジェクトを複数並行して取り掛かる事で、利益幅をさらに拡大できると考えています。
最終純利益
Investment Proceeds | $654,746 |
Additional Expense | $67,000 |
Total Investment Proceeds | $587,746 |
ROIC | 66.26% |
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KM Pacificグループ代表取締役社長
枡田 耕治
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