こんにちは。
KM Pacific Investments Inc.のTakaです。
クリスマスが近づいていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
東京は今年もクリスマスイルミネーションが出ているのでしょうか?生まれてからこの方、イルミネーションを見に行ったことがありません。たまたま出先にイルミネーションがあることはたくさんありますが、「よし!イルミネーション見にいこう!」となったことがありません。綺麗だとは思うのですが、人混みに飛び込んでいく勇気と気力がありません。
そういえばお祭りも人生で1回しか行ったことありません。あれは”地獄の”平塚七夕祭りでした。(思い出補正あり)
祭り初心者にあの人混みはレベルが高すぎてオーバーキルされた思い出です。
ただし、クリスマスの雰囲気はすごく好きです。空気がカラッとしていて、人がプレゼントを両手に抱えて足早に行き交う姿とか、かと思えばカップルが一緒に過ごす時間を噛み締めるようにゆっくり並んで歩いていたりとか。この緩急の感じがなんとも良いです。
バンクーバーも細やかなクリスマスムードです。
話が逸れますが、私は坂道が大好きです。タモリさんの坂道入門も拝読済みです。
良い坂道と良くない坂道(好みの問題)があるんですが、スペインは良い坂道が多く、ガス灯もあるので最高です!サンフランシスコの坂はあまり好きではありません。バンクーバーにはあまり良い坂がないのですが、お隣のヴィクトリアには上からのアングルで良いスポットがあります。あまりにも普通の坂には全然ときめきません。
ガス灯も好きです。吐いた息が白くなる季節に、ガス灯のぼんやりした灯りを見ると心に沁みます。個人的に電灯よりもガス灯が好きです。いつかは冬のウィーンにも行ってみたいものです。
さて、大好きなヨーロッパの地に思いを馳せながら、想いを綴っていきたいと思います。
中に入ってみた
早速ですが、先日Youtubeに新しい内見ビデオを公開しました。(03:42 内見開始)
【今回の物件概要】
売り出し価格:非公開
所在地:バンクーバー東部、バンクーバー中心地から車で10分
物件の種類:1階+中2階の倉庫物件
サイズ: 約1,400㎡
築年数:約40年
売れ残りには理由がある?
この物件は、当初購入検討リストに上がっていたのですが、担当ブローカーとの話の中で「土壌汚染がとにかくひどく、3年間も売れていなかった」という話を聞いて、内見せずに見送っていた物件です。土壌汚染がデベロッパーにとってコストのトリガーであるのはもちろんですが、バンクーバーの加熱しきった倉庫物件市場で3年間も売れていないというのは異常なのです。
前回の記事にも書きましたが、バンクーバーの倉庫物件の空室率は約0.5%ほどでコロナの影響を全く受けていません。アメリカを含めた北米市場の中でも1番加熱した市場で、テナントの需要がとても大きいです。だからこそ3年間も買い手がつかないといほどの土壌汚染は当然避けるべきという認識でした。よって担当ブローカーからも内見する価値がない、とストップがかかったのです。
しかしながら、前回の物件を内覧中に案内してくれたダレンさんからある事実を聞かされます。彼はその問題物件も取り扱っているようです。どうやら土壌汚染はそこまで深刻ではない、というのです。彼が言うには、然るべき企業によって監査された調査結果もあるそうです。
こういう話を聞くと、どこで噂に尾ひれがついてしまったのかと疑問に思うと同時に、バンクーバーの不動産仲介のネットワークがどれほど狭く、横に強いものであるかが良くわかるエピソードでした。
「土壌汚染があるらしい」という噂が「深刻で手のつけられないほどの土壌汚染がある」というブローカー界隈の常識に変わっていたのです。実際、私たちの担当ブローカーにその事実を伝えたところ「そうらしいね!びっくりしたよ!」といった反応でした。
そんなわけで私たちはその”問題物件”を内見してみることにしました。
木造の外壁は傷みがあり、築40年には見えないほど劣化していました。
しばらく修繕が行われていなかったのが一目瞭然です。3棟から構成されたその物件は、足を踏み入れると至る所に壁があり、多少入り組んでいるようにも見えました。
問題の土壌汚染ですが、ボーリング調査をして金属汚染が判明しています。元々のオーナーが鋳造業であり、材料となる金属を保管していたことに起因するようです。
土壌汚染という不安要素を除けば、物件の大きさは申し分なく、改築を施すことでバリューアップも可能なようでした。もちろん、もし購入するとなれば土壌汚染について購入前の調査(デューデリジェンス)を念入りに行わないといけませんが、弊社のプロジェクトマネージャーとしてはリスクを上回る可能性を感じていた様子でした。
あと話の中で出ていたのは、駐車場の問題です。
行政から駐車場の増設を求められる可能性がありますが、建物を削って駐車場を増設する場合は床面積が減りますし、もし地下駐車場を作るとなると海が近いこともあり、特殊な厚い壁を設置しないといけないのでコストがその分上がってしまいます。カナダは世界一環境クリーンな都市作りに力を入れているのですが、バンクーバーの行政はこの流れに逆らっているように思えてなりません。排気ガス削減のため公共交通機関の利用を推奨する代わりに、駐車場を新たに増やすとしているわけですので。
日本人として海外でモノを作るということ
私個人の感想としては、この物件をプロジェクトに据えることはとてもリスキーだなと感じました。もちろん土壌汚染があり、建物の老朽化も進んでおり、材料費が上がり続けている中で、着工して蓋を開けてみないとわからないという潜在的リスクは常にあると思います。それはどのプロジェクトでも同じだと思うのですが、もし3年間も眠っているこの物件に手を出せば、良い意味でも悪い意味でも業界の注目を浴びることになります。
高い数字で利益が出せれば業界で「チャレンジャー」「開拓者」として一目置かれるでしょうし、売れない、損失で終わる、プロジェクトを中断する、もしくはコストと利益がほぼイーブンだったとしても「やっぱりな」や「センスがない」という評価を受けることになるのでは、と感じます。そしてそれが私たちのような邦人企業であればどうでしょうか?
バンクーバーには商業不動産専門の邦人不動産投資会社がほぼありませんが、そのおかげで私たちが手がけるプロジェクト1つ1つに「日本人が手がけた」という枕詞がつきます。弊社の名前を知らなくても、「あの日本人デベロッパー」で特定されます。
プロジェクトが会社の名刺がわりになるだけでなく、日本人の看板も同時に背負って市場に立っているのだと自覚していますし、投資分野での日本人の地位向上のため日々戦っていると言っても過言ではありません。バンクーバーへ進出する後続の邦人企業のためにも「日本人」という看板に泥を塗るわけにはいかないのです。
一見、床が抜けそうなボロ倉庫ですが、弊社のプロジェクトマネージャーから見るとこの物件は宝石の原石が詰まった宝箱に見えています。これは経験による見え方の違いもあると思います。マネージャーが購入を検討するかどうかわかりませんが、とにかく内見した時点ではワクワクが止まらない様子でした。
みなさんはどんな時にワクワクしますか?私はSteamを開くときに何か良い掘り出しセールやってないかな、と思いながらマウスをクリックするときにワクワクします。こんな時、「友達と会う時にワクワクする」とかいう発想が出てこないのがいかにも陰キャな私だなと思うのですが(笑)
あとは知らないことを知ることができた時もワクワクしますし、スーパーで旬の果物とか見ると季節の移ろいを感じて、自分や家族がそれを食べて美味しいところまで想像してワクワクします。そういえばアジア系のスーパーで甘柿を見つけた時も小躍りしたものです。どんな小さなことでもいいですから、日々の生活の中でワクワクを感じていたいなと思う今日この頃です。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
KM Pacific Investments Inc.スタッフ
Taka
島根のド田舎からカナダのバンクーバーに渡り、不動産投資会社で奮闘中。現地の商業物件の様子や、日々の生活の中で生まれた些細な疑問を発信していきます。(物件のご紹介等は行っておりません)好きな言葉は「やらない後悔よりやって反省」。