今回のプロジェクトは再開発案件で、今までにもお話しした様に、合計で約40,000平方フィートの4~6階建のオフィス、インダストリアル、店舗の複合物件になります。また、出口戦略は区分所有化し、各階もしくはユニットごとに販売する予定です。販売営業は最終的建設許可が出る前の時点で可能になり、弊社の仲介業者の予定では、現在の物件不足状況を加味すると、数ヶ月内に融資用プリセールハードルを乗り越え、着工前には殆どが売約済みに出来るのではないかと、予想しています。その様に全て上手く行けば、着工から20ヶ月ほどで竣工出来る予定です。
投資リターンを計算する上で、売り上げから引かれる大まかな項目を、支払い順にご説明したいと思います。
1)販売及び営業費用
これは仲介業者へアウトソースしていますので、合計で売り上げ価格の3%になります。
2)建築融資の返済
この建築融資は金利支払いのみの融資になりますので、建物全体が売却された後で、全額支払い戻されます。もちろん、売却までに要する時間が大幅に遅延するようであれば、途中での返済請求もあり得ます。この辺の詳細は契約書によって異なる案件です。そして、金利の支払いはプロジェクト進行中でも行われますので、当初のエクイティーの中に金利支払い分は予算として取り入れておく必要があります。
3)プロジェクトの費用支払い
この段階で、全ての経費や第三者への支払いが発生します。通常は、アンダーライティングの時点で、これら経費はすべて組み込まれますので、巨額な出費はないはずです。この段階で、外部の経費以外にも、弊社で既に負担した、アセットマネージメント費及び、デューデリ費の支払いが行われます。プロジェクトによっては、第三者のファンドレイザーなどが存在した場合は、この時点でフィーが支払われる事になります。また、一部分の投資家資金のみがファンドレイザーによって募られた場合には、その投資家への払い利益分と精査される事になります。
4)投資家への投資金額の払い戻し
ここでは、当初の投資額面金額を返済します。弊社のプロジェクトの場合には、募集から全てがカナダドル建てですので、カナダドルでお支払いを行う事になります。
5)投資家への優先配当の配当
優先配当利率もプロジェクトや資金のサイズ、資金参入の時期によって全て異なりますが、今回のプロジェクトでは、弊社がスポンサーになり、建設準備まで用意しますので、優先配当は年率5%で設定してあります。
6)利益配当
この率は組合によって異なります。弊社の場合には、簡素化と透明性を強調する為に、運営利益によってパフォーマンス利益を導入するのではなく、全体の利益に対して一律の割合を提示しています。この利率も、いつの段階で、どの様な形で、幾らで、参加されるかによっても変化しますが、通常は40-60か50-50が割合です。弊社ではそれ以外頂きません。また、弊社としてもスポンサーとプロジェクトの信憑性を上げる為にも、投資家として参加します。よって、投資家への合計配当分の中には、弊社への投資家としての配当金も含まれる事になります。
実際の投資リターン率については、これが現在進行形のプロジェクトであると同時に、現在投資家候補と商談中ですので、申し上げられませんが、弊社の第一プロジェクトに類似した年率リターンが出せると思っています。
注意事項
ここで海外の投資組合に参加をご検討されている投資家の方に、注意事項です。通常、投資利益の日本への送金には源泉徴収が掛かります。カナダの場合には、当初の負担税は35%で、カナダ税務局の審査終了後(約1年半後)に、この35%内の10%がカナダドルで、カナダ内の口座に払い戻しされます。さらに、日本からの直接投資募集の場合には、スポンサー会社が日本の金融庁等に登録する義務が発生しますので、海外の投資組合では日本からの直接参加を断る所も少なくありません。弊社の場合にも、日本からの直接投資参加はお断りしています。よって、方法は現地法人をカナダBC州にて設立し、現地企業として参加することが一般的方法になります。カナダの場合には会社設立はとても簡単に出来、費用も20万以内で作れるのが一般的です。そして、利益が出ていない間は、カナダ税務局への報告もすごく簡素化されています。
また、投資組合では、どの様なフィーが幾らかかるのか、事前に確認する事をお勧めします。そして、大型マンション投資などの場合には特にですが、物件竣工スケジュールと出口方法には、注目するべきだと思います。
また来週からは、新しいトピックでカナダの不動産についてご説明させて頂きます。今週も皆さんにとって、有意義な一週間であります様に。
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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