今回は以前にお話ししたストラクチャーも含め、カナダでの投資ビークルについてお話ししたいと思います。今回は各ビークルの説明とメリットやデメリットについてもご説明したいと思います。なお、今回の話は、カナダの場合のみになりますので、同じ北米であっても、アメリカ国内で使われているビークルとは違うので、ご理解下さい。

1)組合とは?

Partnership(組合)は、以前の第2プロジェクトの構造でも、お話ししたビークルと同じものになります。組合設立には、1ゼネラル・パートナーと最低でも2人のリミテッドパートナーが必要になります。ゼネラル・パートナーは無限責任投資家とされ、投資運用を行うと同時に、最終的組合の責任を負う必要があります。それに変わり、リミテッド・パートナーは有限責任投資組合員で、責任は各組合員の出資額が上限となります。しかし、オリジネーター(組合組成者)であるリミテッドパートナーについては、ゼネラル・パートナーが特別目的会社の様なシェル・カンパニーである事が多く、社員もいない場合が殆どなので、ゼネラル・パートナーの無限責務を引き受ける事になります。もちろん東京のオリンピック用建設もこのうちの一つになります。

2)組合の組成目的

組合の組成目的は、殆どの場合が税的優遇制度です。また、組合はプロジェクトごとに設立される為、各プロジェクト完了時には、解散される事になります。弊社のプロジェクトの場合には、投資期間が約2年ですので、組合も2年後には解散される事になります。また、税的優遇制度があると同時に、組合の収益は全て各投資家にパススルーされ、組合としての確定申告は行いません。一般的には、組合として準備された財務諸表が各組合に準備され、各組合員が利益やロスの相殺を行い、国税局に確定申告する事になります。

カナダの組合法律では、全組合員が税法上のカナダ人(弊社のプロジェクトの場合ではBC州)でないと、受けられる優遇制度が限られてきます。リミテッド・パートナーが一人でも、外国人の場合には、組合そのものが非BC州住民とみなされ、支払い金額の25%が留保され、支払い者(区分所有の購入者、賃貸のテナント等)が、直接カナダ国税局へ払うシステムになっています。

保留金額を支払い者が国税局に直接払う事に対しては、支払者にとっての事務的作業は増える事ありませんが、市場に対しての組合の購入魅力や営業面での「非効率性」という観点からは、マイナスに見られる事もあります。また、この留保された金額返済には、約1年半程に及ぶカナダ国税局の審査が要され、全てがクリアーになれば、審査後に全額払い戻しされる事になります。しかし、一人でも外人組合員がいる場合には、一部の留保金が源泉徴収され、その残金が払い戻される事になります。これにより、組合の終了と解散が遅れ、組合スポンサーとしての投資リターン率は低下し、スポンサーとしてのパーフォーマンスは著しく低下する結果になります。結果、外国人共同投資家が存在する場合には、組合ストラクチャーを使うのではなく、今後お話しする他のストラクチャーを取り入れる方が賢明になります。

3)居住者になる為の条件

では、税法上、居住者になる為の条件はなんなのか、次で説明します。1)BC州登録エンティティーである事、2)リミテッド・パートナー会社の取締役の一人がBC州在住である事、3)共同投資するリミテッド・パートナーが、特別目的会社の場合は、資本が国内(BC州)エンティティーからきている事。条件1)は、明確な条件ですので、理解しやすいと思います。条件2)については、投資の為に設置された新規登録企業の場合には、当初から人員を送り込むのは、経費が高くつき、投資のメリットが失われてしまいます。また、送り込まれる人員が取締役レベルである条件についても、企業によっては、安心度を超える条件になってしまうかもしれません。条件3)については、海外投資家による初めての投資の場合には、満たされない場合が殆どです。しかし、一度BC州内で投資をし、収益を計上した場合、次の投資参加時にはBC州内の資本とみなされ、他の条件が満たされていれば、2回目の投資からは、BC州エンティティーとして組合参加が可能になります。

組合を組む事が共同投資の場合には一番簡易的で構築しやすいストラクチャーだと思います。しかし、上でもお話しした通り、海外投資家を含めた場合には、状況は変わってしまいます。よって、企業での海外投資には、長期的ビジョンと事前対策が必須と思います。

このブログからも皆さんの今後の海外投資を行う場合の留意点として、ご理解頂ければ、今回のブログの役割は果たせたと思います。

今週一週間も皆さんにとって、新しい機会が到来する週になりますように。

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