前回では不動産投資の概要について書きました。今回は弊社の物件に対しての考え方、選択基準について、お話ししたいと思います。

不動産は「ロケーション、ロケーション、ロケーション」と言うほど、物件の場所がキーポイントになります。もちろん、上昇市場では、どのような物件を購入しても価値の上昇はあると思います。しかし、博打とは違い、資産を取り扱うわけですから、市場のアップの時もダウンの時も打ち勝てる戦略と十分なリスクヘッジを取り入れた対応策を取り入れることが重要だと思います。

1)不動産投資の全貌

不動産投資を行う上で、まずは「目的」を確立して、何の為に投資をし、その結果なにを得たいのかということを、明確にする事だと思います。例えば、短期保有であれば、利益の最大化;長期の保有であれば、資産価値の継続的向上です。弊社の出口は「時に打ち勝つ物件」の提供です。それが売却物件であろうとも、長期的保有物件であっても、常にテナント候補企業に入居したい、購入したいと思われる物件を提供することです。それが初回のテナントさんであろうが、10年後のテナントさんであろうが、求められる物件を竣工させる、そしてその魅力を継続するのが、我々の任務だと思っています。

もちろんそのような魅力を維持する為には、長期的計画と継続的な資産投入が必要です。既存物件の運用については、弊社の最初のプロジェクトを通して、また別の機会に具体的にお話ししたいと思います。

2)物件選択のクライテリア

では具体的になにを購入判断基準とするか?これは各投資家、デベロッパーによって、異なりますし、購入目的によっても異なります。機関投資家は殆ど保持運用型です。彼らの購入基準は、物件の場所、賃料、空室率、賃料の上昇可能率、物件の資産状況などです。弊社の様な、リポジショニングを戦略とするデベロッパーには、物件の場所(でも機関投資家とは違い、市場内の位置関係)、物件の躯体、建物状況、汚染(土壌と建物内)、耐震性、供給電力量、非常設備、駐車場の有無などが改築物件ではキーになります。再開発の場合には、やはり物件の場所、地形、地盤状況、土壌汚染、交通網などがポイントになります。

弊社の場合にはリポジショニングですので、購入価格を出来るだけ下げ、出口価値を最大限位持っていくのが手法です。じゃあ、購入価格をどうやって下げるのか?それは市場のトレンドを読む必要があります。弊社の704 alexander Streetプロジェクトでは、ビジネスエリア外の物件を購入しました。そして、我々は今後最低でも5〜7年は需要が追いつくまでかかるのではないかと、当初の分析で判断しました。しかし、バンクーバーの地形は南にアメリカとの国境、西に太平洋、北に山脈となっている為、東か上に伸びるしかありません。よって、現在は密度化が盛んに行われています。同時に東へもすごい勢いで伸びています。結果、我々の当初の分析より早く市場の拡張が行われました。そして、$2.5 Millionで購入し、$1.5 Millionの改築費を投入した物件は$8.5 Millionで売却されました。(カナダドルとの為替は約85円ですが、100円で計算すると楽です。よって、Millionは億と考えると簡単です)

数字は結果論でしかありませんが、場所を決めた後は、自分達のビジョンに合った物件が建てられるかというところだと思います。どのように物件を選ぶか(地形、各区画内での場所、角の物件かなど)、何が大事か、どうやって付加価値を生むか、競争生存可能率、差別化はなにか、exitをどう考えるかなどが、次の検討項目です。そして、それだけの時間と資産を投入する度胸と忍耐力があるかです。

では、今後は実際に行った704 alexander Streetプロジェクトなどを使って、弊社の投資についてご説明していきます。

ご意見、ご感想など、お気軽にお問い合わせください。今週もみなさんにとって、明るく、楽しい一週間になりますように。