今までのブログをベースに、今週は弊社の今後の不動産投資戦略について、お話ししたいと思います。弊社は今後も、バンクーバー市で売却を出口とした再開発戦略を展開していく考えです。その上で、サブマーケット、資本形態、プロジェクト数や物件についてお話ししていきたいと思います。

1)サブマーケット

広域バンクーバーの中でも弊社としては、今後もダウンタウン近郊を第一ターゲットエリアとして進めていきたいと考えています。その中でも、東バンクーバー地区を中心とした「フロンティア」市場を狙い、市場の数年先を行く物件を提供していく予定です。市場を「読む」と言うことは、もちろんリスク・レベルが上がる事になります。しかし、東方面しか拡張が出来ないバンクーバー市場では、それほど難しい事ではないと考えています。あとは、現地の人間にしか分からない、独特の景観を読み入れる事で、多くのリスクは回避出来ると考えています。

2)資本形態

弊社ホームページでも記載してあります様に、弊社のプロジェクトは、1)自己資本による投資、2)共同投資、3)プロジェクト・マネージメント業務の3つから成り立っています。今後は自己資本による投資業務をさらに進めていく予定です。そして、このセグメントでは、将来的物件の保有と運営を視野に入れた、ポートフォリオの拡張を意欲的に狙っていきたいと考えています。その為にも、今は可能な限りのプロジェクトを遂行させ、投資会社としての力をつける事が先決だと考えています。よって、今後も売却を出口とした戦略を用いていきます。そして、レバレッジなども含めた戦略で、リターンの最大化を可能にしていきます。2)共同投資についても、今後は更に投資家様をカナダ国内外より募り、プロジェクトを行なっていきたいと思っています。そして、可能な限り日本からの投資家様にフォーカスを置き、日本不動産投資家の更なる世界での活動に貢献していきたいと考えています。3)プロジェクト・マネージメントにおいては、弊社の既に50年ほどになる海外経験を屈指し、各投資家様のプロジェクト成功に貢献していきたいと思っています。プロジェクト・マネージメントに於ける弊社の役割は、投資家様の投資案件を現地代理人として、運営・運用していく事です。そして弊社が、投資資産額に基づいた率をフィーとして頂き、運用代行する業務の事を言います。

3)プロジェクト数

今後は同時進行するプロジェクトの数を増やしていく予定です。各プロジェクトを修了するごとに、進行プロジェクト数を倍増して行き、結果、各四半期ごとに複数のプロジェクトが完了する事を考えています。

4)物件

市場の需要にも左右されますが、弊社としては今後も現在のプロジェクトに類似するインダストリアルからフレックス・オフィスへのリポジショニング・プロジェクトに携わっていきたいと考えています。5,000平米ほどの再開発プロジェクトは、一般個人投資家には複雑すぎますが、機関投資家には小さ過ぎるという、丁度良いスィート・スポット・サイズに値します。また、再開発を行う為には、現地に特化した対応とプロジェクト・チームが必須になります。そこで、弊社のハンズオン運営スタイルがマッチした解決案になると考えています。

5)経済

現在のバブル気味た経済状況に対しての懸念をどう見るか?そしてこのような状況の中での、各プロジェクトの竣工・完成確率をどう見るかという問題についても、軽く触れておきたいと思います。色々な面から見て、一般の市場との比較であれば、バンクーバーはバブル状態だと思います。それももう10年ほど続いています。そして、米国中央銀行の更なる金利上昇が噂される中、カナダへの影響は如何に?しかし、リーマンショック時も、カナダでは影響が全くと言って良いほどありませんでした。それはカナダ中央銀行が、警報から3時間以内の敏速な緊急マネタリー・サプライ政策を打ち出した事で、カナダ国内の経済は「通常通り」な日を過ごす事が出来ました。そして、バンクーバーやトロントでは、一部的に経済がバブル的になっていますが、国全体ではやっと経済が定着しだしており、金利の上昇が始まりかけている状態です。よって、今後更なる経済加熱があっても、ソフトランディング的政策誘導は可能だと思います。事実、不動産などは注目を浴びていますが、個人債務レベルも住宅購入と融資規制が導入されると同時に低減しつつ、給料の成長がない上に、雇用指数も安定している為、オーバーランをするような事はないと思います。また、プロジェクト完了の可能性については、今もなお、需要が供給を大幅に上回っている事や、建築には時間が要され、竣工は段階的にしか行われないという面で、安定と安心感が保たれていると思っています。

よって、バンクーバーの経済事情から見ても、近い将来カナダの経済状況がバブル崩壊により、脱線するような事はないと思っています。

6)まとめ

カナダでは今までに見ない経済成長と投資機会が継続しています。弊社としても今後更にバンクーバーでの投資を市場状況を観察しながら、進めていく予定です。最近の現地新聞紙であるVancouver Sunにも出ていましたが、モントリオールの物件に対して3倍の価格をバンクーバーの類似物件に払った機関投資家は、「バンクーバーは立地的制限と新しい海外投資家が存在する為、常に購入価格より高額で出口を迎えられる」とコメントしていました。弊社としても、バンクーバーは世界都市として生まれ変わっている最中だと思っており、今後ITや富裕層用資産管理都市として、更に注目を浴びていくと思っています。よって、弊社としても、この市場はますます成長と注目を浴び、ポテンシャルが大いに存在すると思っています。

この活気溢れる市場をご覧になるために、バンクーバーへいらっしゃる際には、是非ご一報下さい。