弊社のホームページでもご説明してあります様に、我々は海外を拠点にする不動産投資グループです。このスタンスは今後も変わる事なく、日本国内の不動産事業に関わることは考えておりません。これは弊社設立上の理念と日本の状況から来ています。もっと具体的にお話しすると、1)我々は逆黒ぶねを操舵して海外に出ている事、2)和僑設立に貢献したい事、3)日本の金融庁のしがらみを懸念している事が、主な理由です。

1)逆黒ぶね

その中でも一番大きな理由は、弊社の設立理由にあります。先代の先見の眼のお陰で、枡田の事業は1970年代前半より、既に50年ほどの間、国外で不動産事業家として幅広く活動してきています。弊社の様に、これだけ長い間海外にて活動させて頂いてる集団であるからこそ、今後の日本の発展の為にも、切磋琢磨するのが、弊社の責務だと思っています。その上で、バブル期では多くの邦人企業が海外不動産投資を行いました。その中でも、有名な案件では、アメリカ政府との密会により、買値と売値が概ね決められていたプロジェクトもありました。しかし、その様な事は、一般アメリカ人には知られていません。よって、私がこの業界に関わり出した1990年代前半では、日本人は不動産投資知識が全くない集団であると、レッテルが貼られていました。今でも一昔前の話になれば、日本の全盛期を讃えると言う意味で、バブル期の話がこちらの業界の会合では出てきます。でも、これは個人的には屈辱に感じますし、事実と塗り替えなくてはいけない事だと、私は心底思っています。よって、昔ペリー提督が黒ぶねで日本の開国を迫ったと同時に、今度は我々日本人が海外に出て、不動産投資家としての技能をあらわにすべきだと痛感しています。

この様な事を書く事で、「右」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、個人的にも30数年間海外で生活してきて、人種差別なども経験すると、やはり世界そんな甘いものではないと感じます。もちろん日本も他の国の方々に人種差別をし、非人道的な事をしてきています。もちろん、それは事実として認めると同時に、自分達の立場も、自分達で確立しなければ、誰も援助してくれないと思っています。また、我々が日本国内において投資活動をする事は、弊社の起業目的に合わず、競合相手になるべき企業は多邦人企業ではないと思っています。

ですから、私どもは、これからも海外市場において、邦人不動産投資家として投資活動を継続し、日本人不動産投資家の優れた投資活動をアピールしていこうと考えています。

2)和僑

ユダヤの方々の様に、自国損失が実際にあり得るこの世の中で、リスクヘッジを持つ事、そして世界で経済と文化的位置を確保する目的で、中国華僑が存続する様に、日本も自国存続の為のヘッジをする必要があると考えています。これから人口の減少が免れない日本で、文化的にも混ざり合う鍋(Melting Pot)としてではなく、日本文化や歴史を「海外の保管庫」として、海外に出ている他の日本人と共にネットワークを構築し、継承していく活動に貢献していきたいと考えています。また、同時に、既に世界に拡散している日本人ネットワークと連携する事で、日本経済が日本国内のみならず、世界市場においても活動出来る環境を構築する事を望んでいます。

3)金融庁登録

現在、弊社が日本で事業活動をする際には、外国人企業として金融庁に登録する必要があります。現在は、ただ単なる活動者の登録にすぎませんが、今後はこれが税金やフィーに繋がる登録になると私どもは読んでいます。そうなると、少人数で活動する事で投資家様への利益を最大限にする試みをしている我々としては、事務的手続きや金銭的にも、対応不可能になると推測しています。また、世界的収入の開示要請から、各投資家様の情報開示も義務付けられると思っており、お客様の大切な資産情報は、いかなる場合でも守秘原則が第一の信用として捉え、第三者への開示は避けるべきと考えています。また、事業的にも、本業はカナダであり、日本でない事から、日本に所在を構える事はメリットにならないと考えています。

また、私の個人的な観点からも、現在日本で本格的に事業を行う事で、住民票を再登録する事になり、日本の国税局の管轄監視権が再度始まる事になります。よって、再度海外の税的優遇を得るまでに、10年間掛かってしまうのは、我々ファミリービジネスとしても、事業存続の観点からも、排除しなくてはいけない点だと考えています。よって、今後は、日本国内の資産運用会社やカナダに存在する邦人企業と組み、投資資金の募集やFund of Fundsに参入させて頂く可能性を探っていく事がベストと考えています。弊社は今後も海外で活動する邦人不動産投資家グループとして、積極的に活動していくつもりです。その中で、この様な場を使い、読者の皆様にも海外における可能性や将来的資産プラニングを行うヒントをご提案出来ればと思っています。

皆様にとって、弊社の情報提供が資産設計のヒントになる事を祈っております。また本年一年間、このブログを読んで下さいまして、誠に有難う御座いました。皆様が良い年末年始をおむかえられます様、心から願っております。

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