新年明けまして、本当におめでとう御座います。本年も読者の皆様にとって、生産性が高い、飛躍の一年になります事を心から思っております。また、今年もこのブログを通して、社員一同宜しくお願い致します。

2019年のバンクーバー市場は多少の金利の変動が予測されるものの、不動産市場は今後も活発で、世界から更に注目されるマーケットになると思っています。その上で、今回は1)金利、2)経済、3)不動産物件供給の点から、2019年の不動産市場を説明したいと思います。

1)金利

米経済は継続した国内総生産量の上昇と低失業者率の影響で、今後も活発な状況が継続すると思われます。その上、今までにない資産の向上からくる消費の増加が経済の促進に繋がると思われます。しかし、3%以上の経済成長率ではオーバーヒートを招く為、連邦準備銀行は数回の金利上昇を行うと思われます。それにより、米経済と密接な関係にあるカナダ経済への影響も少なくはないと思います。2018年1月時点では1.25%のカナダ中央銀行のオーバーナイト・レートも、2018年10月時までには1.75%まで上昇していますが、メディアが予想する平均4回ほどの2019年中における金利上昇予測(よって、1.00~1.25%)は、起こらないと思われます。私的には、あと2回ほどの上昇で、0.50%ぐらい上がるかもしれないと思います。理由は、現在のカナダ経済の牽引役はトロントとバンクーバー地区が主になりますが、特にバンクーバーにおいては、失業率は殆ど存在しない中、給料の上昇はなく、個人消費も2018年でだいぶ落ち着いてきています。また、下記マイクロ経済の状況からも金利上昇要因は限られていると思います。

2)経済

経済面では、住宅業界の著しい価格の上昇と継続不可能な状況及び、新規融資政策の導入により、引き続き弱い状況が継続すると思われます。これによる近年住宅投資が牽引してきたBC州経済への影響は大きいと思います。特に、中国からの投資は最近の某中国企業社員への対応で、冷ややかになり、慎重な姿勢を取り始めるかもしれないと噂されています。その反面で、液化天然ガスの輸出が本格的に始まり、州経済への貢献は数千億円単位になるとRoyal Bank of Canadaは予測しています。しかし、既に失業率が5.0%以下の現状では、天然ガス業界へ回せるだけの被雇用者が存在せず、給料の上昇への圧力だけでなく、経済成長そのものへの影響が存在すると思います。ただ、BC州の場合には、国内の自由な人口流入と年率約1.2%の移民があるので、今後はこのセグメントに頼っていく事になると思います。よって、天然ガスやオイルの生産州である、アルバーター州にとっては2018年後半が特に原油の低迷で悩まされてきましたが、どこまで回復要因になるかが今後の注目点だと思います。

国全体における100%を超える個人債務率が、今後は経済の鈍化に伴いブレーキ役に回り、総国内生産率も今までの様な訳にはいかないと思います。その上、カナダ中央銀行総裁は、米中摩擦が2019年における一番の心配としてあげており、この影響が今後は貿易に冷え水をかけるかもしれないとしています。また、2018年年末に同意されたUSMCA条約(北米自由貿易協定の継続版)により、三カ国内での貿易は進むものの、勢いについてはまだ未知なところがあると思います。勿論、今までの貿易における経済成長は概ね継続すると思われますが、近日の米経済政策からくる、アメリカ優先政策や、関税などの影響が読めません。

また、ローカルレベルに話を戻しますが、バンクーバー地区においての展望は、依然として明るいと見ており、今後も医療研究を含めたハイテク業界や不動産投資(今後は商業)などが牽引する事で、促進し続けると思われます。

3)テナント需要と供給

バンクーバーにおける、テナント需要は未だに供給の2倍ほど存在しています。そして2018年の第3四半期時点で3.9%しかなかったダウンタウンのオフィス空室率は、今後も当分は継続すると思われます。賃貸需要では、ITや医療、専門職及び教育業界らがリスト上位を占めており、この順位は2019年でも変化しないと思われます。その中でも、IT業界と医療製薬のR&Dの拡張が特に目立っており、医療製薬については、米国内における研究よりカナダ国内での活動の方が格安に行えるメリットが、今後の成長理由に挙げられます。ITにおいては税的優遇制度や米移民法の影響もさることながら、人材や企業の集結が自ずと同業企業を呼び込み、業界の成長に繋がっていると思います。現在はMt. Pleasant地区などで、大々的な再開発による新規物件の供給計画が図られていますが、これら物件竣工まで当分かかるので、当面はアンバランスな状況が継続すると思います。また、Railtownや東バンクーバー地区においても状況は同じで、竣工物件が供給されるまでには、まだ最低でも一年はかかると思います。よって、今後もタイトな市場状況は継続し、賃貸より資産の構築と見る、区分所有へのトレンドはまだ当分続くと思います。

結論的に、2019年の不動産市場は、2018年同様な活発さを見せ、需要は継続するものと思います。投資面についても、当分は購入価格の上昇が予測されるため、弊社の様なデベロッパー・投資家にとっては、プロジェクトの魅力と割安感をどの様に見せ、それを市場価格以上の販売価格として反映するかが成功の秘訣だと思います。

まだ、お正月三が日という事で、お休みされていらっしゃる方々も多いと思います。日本の美味しいおせちが恋しい今日この頃ですが、これからも現地の視線で見るバンクーバーの不動産情報について書いていける様、励んでまいります。2019年も2018年以上に宜しくお付き合い頂けます様、宜しくお願い致します。