今回のプロジェクトのリターンについては、当初のリターン予測からさほどの変化は未だありません。しかし、現状の米加の貿易摩擦や米中の政治的摩擦によって、複数の資材の価格が高騰しています。よって、今後のプロジェクトリターンも為替、資材のコストなどの方向性によって、変化する事も有り得ると思います。

1)建材の高騰と販売価格

現時点でのゼネコンとの話では、鉄筋、ガラス、内壁材などは20~25%価格が高騰しているとの事でした。また、近年のコンクリート需要の増加により、砂の価格が高騰しています。よって、簡単に考えて、現在年率17%の投資家へのROICリターンを前提としている中、この25%が減率する可能性がある状況にあります。まだ、年率10~12%以上のリターンを確保が可能と思っていますが、この最終的数字は今後も厳しく見ていく必要があると思っています。

同時に、供給がまだまだ需要に見合っていない事、また、市場内における新規供給物件のデザインや活用性が弊社物件には及ばないところから、今回も市場を導く様な価格設定が可能だと考えています。弊社がチームを組んでいるColliers International社の仲介担当者は、弊社が当初から高めに設定してある販売予定価格も、半年後の販売開始時には、これ以上の価格設定が可能なのではないかと話しているぐらいです。

よって、冒頭では、価格の高騰により、投資リターンの低下をお話ししましたが、弊社としては常に不動産市場における「当たり前」を打ち破る「期待」と「経験」を提供しようとしている為、建ててみて、売ってみないと分からないというのが、第一プロジェクトの時同様、正直な考えです。ただ、仲介としても、販売開始後数ヶ月内には殆どのユニットが売約予定済みになるのではないかと考えていることからも、市場の波としても無理なく優位なポジションがキープ出来るのではないかと考えています。

2)プロジェクトチーム

また、第2プロジェクトのゼネコンは前回同様Bon Constructorsという東バンクバー、Gastownや、Railtown地区を専門とした改築を特に専門とするメンバーです。通常、改築専門業者だと、再開発は手に余る仕事では無いかと考えやすいのですが、実際は改築の場合は壁を取り壊してみないと、躯体状況や構造体状況が分からないので、改築業の方が専門性と経験を要されます。その反面、再開発は何も無い更地に新規物件を建てる為、驚きはなく、特殊な技能も特に必要になる事は、改築ほどはありません。よって、弊社としては、開発専門業者より、柔軟で臨機応変な対応が必須となる改築業者の方が安心出来ると考えています。

また、以前のブログでも書いたと思いますが、Bon Constructorsはカナダ人所有の現地企業ですが、詳細部までの拘りが強く、日本的きめ細やかな仕事をしてくれます。弊社が組むチームメンバー全員の共通点ですが、このゼネコンも「自分のプロジェクトだったら、どうする?」を常に念頭に仕事を進めてくれる為、デベロッパーとしても安心した態度で、オーケストラの指揮者という位置からプロジェクトを見据える事が可能になると考えています。よって、すでに良好な関係が確立されているので、建設面でのプロセスのストリーム化及び簡素化を狙う事で、建設期間の短縮とコストの削減も可能になると思っています。よって、ゼネコンとは既に概要について話を始めており、次のBuilding Permit迄には具体的な建築プランを打ち出していきたいと考えています。

3)販売網

ターゲットを絞った販売営業も、必須だと考えています。建物全体の入居者ミックスが今回のプロジェクトのテーマに合ったものになる事がベストだと思っています。が、いつも願いが叶う訳でも無いので、確実な販売努力をしていきたいと思っています。その上、バンクーバー内の企業のみならず、トロントやアメリカからの新規参入を考えている企業などへの斡旋も、その方面を得意とするブローカーの力を借りていきたいと考えています。また、弊社が日系企業という事もあり、我々としては、日本からの企業誘致も今後弊社のネットワークを使って行っていきたいと思っています。このブログの読者の中でも、カナダへの事業拡張の余地がある邦人企業をご存知の方は、是非ご連絡頂きたいと思っています。

3)まとめ

最終的投資リターンが明確になるのは、竣工後の売却完了時になりますが、弊社としては、このプロジェクトの立ち位置は、他の新規物件、時期を見ても、良好だと考えています。価格の変動についても、同じ事で、着工時期がまだ1年半ほど先という事で、時間に余裕はあり、対応策も必要に応じてまだまだ講じれると考えています。よって、弊社としては、現状での投資家リターン予測を当初の年率17%としてみており、今後は投資家募集をDevelopment Permit取得後始めていきたいと考えています。

皆様にとっても2019年1月が先行きの良い月になります様に。

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