今週はボーナスブログとして、カナダにおける投資からのお金(元本と利益)を日本のご自分の口座に送金するプロセスについて、お話ししたいと思います。ただこのトピックに関連する法務、税金額などは常に新しい法律や状況の変化により変わっていますので、読者が読むタイミングでその都度、最新の情報を確認する必要性がある事は事前に付け足させて下さい。よって、今週のブログは概要と目安というレベルで読んで頂ければ嬉しく思います。また、このブログでは受け取る日本サイドマターは全く考慮していませんので、それはそれで皆さんの状況(日本での収入や控除)を考慮して調べて頂く必要が有ります。

1)不動産投資に関わる金銭の種類

さて、投資金銭と言っても、数種類のものがあるので、それらをまず明確にする必要があると思います。

1. 投資元本 – エクイティー(現金)
2. 投資元本 – 融資
3. 利益 – インカム
4. 利益 – キャピタルゲイン

これらがメインの分別になると思います。その上で、融資の場合の元本はもともと貸したお金を返すだけですので、なんの問題もなく、送金することが可能になります。そして、投資元本のエクイティーについても同じことです。ですので、今週のトピックでは、#3と#4にフォーカスしてご説明したいと思います。そして、送金などで関連してくるのが現地の税金システムですが、カナダの連邦政府による税率とBC州における州税率については、ブログ43話ですでにご説明してあるので、詳細についてはそちらをご参照ください。

2)投資利益の送金に関わる税制のこと

カナダから日本への投資利益を送金する場合には、基本的に利益の25%は源泉徴収としてカナダの国税局の方に一時的に納税される事になります。そして国税局の調査期間の約一年から一年半後に租税条約に則った源泉徴収金額を引き抜かれた金額が国税局の方から、納税者が指定するカナダ国外の金融口座に直接支払われる事になります。カナダと日本の間には既に租税条約が締結されている為、融資などに対して支払われた金利の受け取り分については、10%の源泉徴収がかかる事になっています。また、配当などのキャピタルゲイン及び賃料の支払いなどについては、5もしくは15%の源泉徴収率がかかる仕組みになっています。この場合の率の違いについては、日本国内の資金受取人と支払人の所有関係が主なドライバーになるとの事です。細かい判断については、会計士もしくは税理士にご質問されることをお勧めします。

また、租税条約の関係上、カナダで支払われた税金は日本の確定申告の際に申告が可能になり、その分控除されると聞いています。ただしこの点についても、最新の情報は日本国内の税理士の専門家にお尋ね下さい。

3)海外送金を行う場合

また海外送金を行う場合には、どの様な送金手段を使うかも大きなポイントになってくる事はここで詳しくご説明するまでもないと思います。カナダの国税局から直接送られてくる場合でも、日本で受け取る口座の通貨により、最終的な受け取り金額に差が出てきます。例えば、現在カナダではアメリカへの貿易量の増量を試む為に、対世界通貨に対してカナダドルは数年間意図的に安く設定されています。よって、元は同価格だったカナダドルは今では1米ドルに対して$0.68カナダドルの市場価格がつけられており(リテールだと$0.63ぐらい)、為替的には不利な状況にあります。2021年には米経済に陰りが出てくるという噂により、今後どの様にカナダドルが動くかはまだ分かりませんが、何だかの影響が間違いなく出てくると思います。その上、日本国内でも取り扱い量が少ないカナダドルですので、送金の場合でも受け取り側の為替が魅力的かは首を傾げてしまう所です。よって、これらの場合には通常の銀行ではなく、送金専門金融店舗などを使うと少しでも魅力的為替で送金が可能になるかもしれません。

今週は高いレベルでのカナダから日本への投資資金及び利益の送金についてご説明しました。弊社はあくまでも不動産屋ですので、このトピックの詳細については各専門家に聞かれることをお勧めします。

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