今までバックグランドになるカナダについてお話ししましたが、今週からは私の中でも大事と思う「世界(北米)で仕事をいていく上での留意点」と題して、世界の第一線で現地の人間たちと肩を並べて意味ある実績の達成と貢献(各自の目的と貢献意欲に沿ってですが)を可能にする点についてお話ししたいと思います。ここでもこれらは全て私が個人的に考える点ですので、決して正解でもなく、読者の皆さんにもご意見やご感想もあると思います。その場合にはぜひコメントをアップして頂けたらと思います。色々な意見交換が可能になれば嬉しいと思っています。

では、枡田耕治が考える世界で仕事をしていく上での留意点は複数ありますが、今週は次の3ポイントについてお話ししたいと思います。1)自分が誰であるかを理解する、2)周りを見る、3)先ずはゴールを設定する。

1)自分が誰であるかを理解する

もちろん皆さんはご自分が誰かは理解されていると思いますが、その理解はご自分の性格についてでしょうか?それともご自分の職務スキル上の長所・短所についてでしょうか?それともそれはご自分の過去と今後の目的についてでしょうか?例えば、そのバウンダリー(領域)をもう少し押し出して、世界では日本人である自分がどう位置づけられるかから考えてみてはいかがでしょうか?日本人を知らない西洋人から見たら自分はどう映り、自分が話す事は日本人相手では文化と社会の共感により理解しあえる点も、その「共通点」がない相手には自分のポイントをどうやって説明するかということを考えてみては如何でしょうか?今でこそ、日本食やアニメを通じて日本の文化などはだいぶ浸透してきていますが、決してそれが日本人の我々と同じ理解かと言えば、それは全く異なることも多々あります。ましてや、仕事面で日本人との接触がまれな場合には尚更です。ですから、まずこのポイントをご自分の中で消化し、理解していないと、共通分母(同じ環境で働く)という面での西洋人からの理解を得るのは難しいと思います。

よく「言葉が分からなくても仕事さえ出来れば良い」とおっしゃる方もいますが、西洋人からするとほとんどの場合が「良く働くが理解不可能な日本人(もっと悪ければ、アジア人)」で終わっている事が多いのが現実です。上司が日本の方(日本本社からの一時的出向)であれば、その考えでも良いと思いますが、現地の人間の理解や現地での生活の充実面から考えると、この考えでは足りないと思います。こちらの場合には、同僚からも理解を得る事がご自身の仕事上での成功や昇格に大きな影響をもたらすので、「仕事さえ出来てれば」という考えだと自己の目標にたどり着けない事も多いと思います。如何に現地環境に馴染むか?これが要点だと思います。

その上で、自分のニッチ(Only I Can:自分だけが出来る)価値観を見つける事だと思います。そして、ご自分の性格上・スキル上の短所を把握し、それを如何に克服するかも重要なポイントです。仕事面での留意点(よって勝ち抜くスキル)は、場所構わず基本的なところは変わらないと思います。なので、今週のブログのタイトルである、「海外(北米)で仕事をしていく留意点」を「日本」と入れ替えても全くおかしくないと思います。ただ、今回は海外での仕事面についてお話ししているので、海外でのポイントとしてお話を続けます。

「Only I Can」という点では、自分しか持っていない(代用不可能な人材)素質を保持し、自分の価値を上げる事が重要です。この素質はどんなことでも良いと私は思います。例えば、私のニッチ素質は現状況から将来的需要の流れを把握し、それに沿ったアイディアを形に出来る事だと思います。そして、チームワークをとことん重要視する事で会社を超えた共感と切磋琢磨を可能にする事だと思っています。よって、このポイントはスキルでも人間性でも良く、制限はなくて良いはずです。ただ、ご自分のニッチスキルが現在の仕事にマッチしているかは、また別なベクトルで見定める必要があると思います。

2)周りを見る

もう一つ大事な点は、周りの環境を見られる様になる事です。具体的には、マクロ的とマイクロ的。そして5〜6年先の時空列を付け、それらからの影響を理解する事だと思います。マクロ的には広く浅くトレンドとして理解する事で、その先の流れを予測する事が大事だと思います。マイクロ的には、ご自分の生活拠点を始め、周りの動向を理解する事だと思います。そしてそれがご自分の業種や仕事にどの様な関係や影響を及ぼすのか、ご自分なりの予測や推測を立てる事が大事だと思います。

そして、マクロとマイクロという二次元のものに、時空列というベクトルを足す事で、三次元のものに組み立てる事が可能になると思います。そこからご自分なりのシナリオをたて、先手戦略や防衛処置などを試みる事が可能になるのではないでしょうか?もちろん、ご自分の慣れた日本でない海外では、人間性も変化する為、マクロ的な読みを行うのが日本国内以上に難しくなるかもしれません。しかし、因果関係や自分のシナリオに対して自問自答する事で、ロジックを含めたご自分の考え方の確認が可能になり、継続することでこのスキルは向上していくと思います。

3)先ずはゴールを設定する

ご自分の海外でのキャリアを考えた場合、まずは人生のゴールを考えるところから始めてみては如何でしょうか?この時点では、詳細なプランというより、まずはこの人生でなにをしたいのか(目標)?、それをどの様に達成したいのか(方法)?そして一番重要な、なぜその目標や方法が大切だと思うのか(理由)?ゴールが決まった時点で(それが何年先であっても)、今度はそれを逆算して現在に持って来ることで、今とゴールの間に何が起こるべきか、何をしなくてはいけないかが、見えて来るのではないでしょうか?私の場合にもゴールを含め既に自問自答してありますが、それが何年先のことなのか、またどうやってそこにたどり着くのかなどの詳細は全くわかっていません。

でも今の時点ではそれで良いと思います。その将来への自分の姿を思い浮かべるのが(ビジョンを持つ)のが全ての始まりだと思います。もちろんこれらゴールは本当にご自分が大切で達成したいと思っているゴールでなければ意味ないと思います。ですから、まだ若人の読者で見当がついてなくてもそれは良いと思います。そういう時期なのだとも思います。でも、この先を考える上では、エンド・ゴールを考え始めてみると方向性が見えてきて、少し精神的にも楽になるのではないかと思います。そこから、ご自分の海外でのキャリアプランなども具体的に立てていく事が可能になると思います。その一環として、ご自分のゴールにマッチングしたスキルアップやキャリアプランを繰り広げて行けば良いのだと思います。

今週は長くなりましたが、来週もこの留意点の続きをお話ししたいと思います。