先週までは「世界(北米)で仕事をいていく上での留意点」と題して、北米市場の第一線で現地の人間たちと肩を並べて意味ある実績の達成と貢献を可能にする点についてお話ししました。今週から2週間は、私が個人的に欲しいと思う「魅力ある人材とは」と言う点に絞り、お話ししたいと思います。その上で、再度申し上げておきたいのが、私の経営上の考えですが、私はチームワークを重要視し、フラットで透明度の高いオーガナイゼーションが必須と考えています。よって、私が求める、魅力ある人材とは、この考えを遂行させてくれる人間性だと思っています。今週はその中の数点をお話ししたいと思います。それらは、1)夢が語れる人、2) 自分らしさを持っている人、3)社会などへ貢献する人です。
1)夢が語れる人
夢が語れる人には目標があると言う事です。スパンは除外してもゴールを持っている事は意欲の現れであり、向上する意思の表明だと思います。自分の人生を長期で考えている事も重要で、そのストーリーが自分の中で消化されている。だから、現状を理解し、今後の達成への道のりを歩んで行こうとしているのだと理解します。もしかしたら、もう自分の必修項目についても理解しているかもしれません。または、まだ如何やって次のステップを出すべきか見えていないのかもしれません。どちらの場合でも、目標を追いかける人の目は輝いています。その様な目は注意を払いながらも多くの事を吸収する試みがあり、自主的原動力が備わっていると思います。その上で、人間性や仕事に対しての志が私どもと同じであれば、切磋琢磨し合い、Win-Winな関係を作り上げて行くことが可能だと思います。その過程で、SWOTマトリックスに於けるStrength(強み)、Weakness(弱点)、Threat(脅かし)、Opportunity(機会)を理解する事で、弱点を補い合い、長所の活用で更なる向上が達成可能になるかもしれません。
中には、漠然に「こんな事をしてみたい」と言う若人ともめぐり合う機会がありました。その場合には、まずは自分を知る事から始め(SWOT)、具体的な案と方法について考える事を勧めています。
また、夢を語れる人は、自分を見せる事を恐れていない人だと思います。話を詰めて行けば作り話や嘘はすぐに見抜かれます。なので、ストーリーテラー(夢を語れる人)は一生懸命で正直な人が多く、周りに影響されない強い意志を保持していると思います。頑固にも取られるかもしれませんが、自分の意思があり、それに向かって進みゆく姿は美しいと思います。そして、正直だからこそ素直で、他人の視点も受け入れられるのだと思います。その上で、我々の様にチームワークや相手の視点から理解することが出来れば、心を割って話し合えると思います。
2)自分らしさを持っている人
次の魅力ある点は、自分らしさを持っている人です。私も羊の群れの様に個性をなくす様な行動は取りたくありません。なるのであれば、私は羊飼いになりたいです。これは決して私が人の上に立ち統治したいと言う考えではなく、羊の様にみんな同じではなく、羊飼いの様に違った自分だけの考えを持っていたいという事です。そして自分らしさを持っている人には、一本の「筋」があり、生き様があると思っています。自分の生き様がなければ、自分らしさも人の影響に左右され、脆いものになってしまいます。ですから、流される事なく、自分が正しいと思うものに沿って生きるのは素晴らしい事だと思います。でも、上でも申し上げましたが、どの様な点においても意固地になり、天狗になる姿勢は禁断です。それは向上の姿勢ではなく、崩壊と滅亡だけが先に待っていると思います。
そして、自分らしさを持ち合わせていて、我々との接点が多ければ、それはきっと長期の関係の始まりなのではないでしょうか?自分の生き方に沿った環境であれば、憶測で相手の要望を考えた仕事をする必要もなくなり、自分のベクトルで正しいと思う仕事をする事で、チームの(会社の)思いに沿った仕事が形になる。こんな素晴らしいチームの構成はないと思います。
3)社会などへの貢献をする人
そして今週お話しする最後のポイントは「社会などへ貢献する人」です。これは社会的な利益(貢献)に関わる項目を指しています。非営利団体などでのボランティアや自分の母校や関係団体へ貢献するのもその一つだと思います。ポイントは自分以外の人のために自分の時間を割く事です。なぜこの点が私の中で大切かと言うと、自分の利益ばかりを追求する人は、周りが見られず自分の成功は自分の力で得た結果と考える様になりがちだと思います。しかし、人間は決して一人で生きることや何かを一人で達成することは不可能であり、社会を含めた周りの助けがあるからこそ、初めて自分の成功が可能になると思います。ですから、自分以外への貢献を考えられるという事は、自らが歯車の一つであることを実感出来ている結果で、利己主義に固執していない現れだと思っています。そして自分が成功し(またはそのプロセス中にも)ペイバックし、ペイフォワードする事は大きな意味で社会とのチームワークであり、社会の向上なきして自らの向上(成功)なしという我々が各地域で仕事を「させて頂いている」という受け身の考えと「Win-Winな関係」の追求に沿っていると思うからです。
そして、この考えは各自の心の余裕の象徴でもないでしょうか?自分だけでなく、周りの事も観察でき、対応できる余裕こそ、プレッシャーが多い仕事環境に押し潰される事なく、また自分のゴールに対して挫折を感じた時にも継続して前進できる動力になると思います。
これをいうと、自分の家族への愛情も自分が継続する動力になるのではないかとお考えになる読者もいらっしゃると思います。もちろん、ご自分のご家族の幸せを重要視するのは大切で大事な事だと思います。ただ、私の中では「家族の幸せ」を考える事は、それだけでまた違う一つの括りになっています。逆に私の中では、その思いは人間として生きていく上で当たり前の条件と責任と考えています。よって、私が一緒に働きたい人材の素質という面では、家族への愛情や家族を大事に考えていない人は、基本的な生き方の上で既に違う道を歩んでいらっしゃると思っています。
話を戻すと、社会など自分以上のスケールとの位置づけと関係が理解出来るからこそ、世界に出ても感謝の気持ちを大事にし、継続した努力が可能になるのだと思います。もちろん、社会などへのペイバックを考えるだけでは、我々の様な「海外にいる日本人」としての「日本への貢献」を共感している事には繋がらないかもしれません。しかし、それは話し合う上で共感できるかわかる事だと思います。ですので、更なるお互いの理解への入り口としては、自分を他人の為に役立てようとする事はチームワークを理解し、お互いの相互的向上が自分の幸せや成功にも繋がる事を理解している現れだと思います。
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KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治
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