Adanacのような一軒家におけるMultiplexプロジェクトは今後も継続していく一方で、Multiplexの次に我々が予定しているのは、更に大規模な商業不動産プロジェクトに匹敵するマンション開発です。用途も一般的な住宅開発のR1-1から変更し、C-2、C-2C1などと頭にCommercialの「C」が付く商業規模の開発です。

ただ個人的には、大型マンションにはデザイン的な美しさを感じない上に、自分たちの活動を大々的にアピールしたい訳ではないので、20〜40戸程の中小サイズが適当なのではないかと思っています。もちろん、プロジェクトが大きくなれば利益マージンも向上しますが、投資判断は利益率だけで決める訳ではないということは、これまでのブログでもお伝えしてきた通りです。

【各地域に対応しやすい住宅開発】

私が理解している事の1つに、商業より住宅の方が他地域への拡張も容易でレプリカを作りやすいという点があります。商業の場合には、各地域の主要業界や経済状況により、提供商品や契約環境が大きく異なりますが、住宅では、ニューヨークなどの特別な環境でない限り、環境は類似しており提供する商品やコンテンツも殆ど同じになります。地域によっては、環境への配慮(寒い地域では壁の密封性、暑い地域では通気性(空調)など)や付随の駐車場の必要性を考慮しますが、建物としては一律した商品提供が可能です。また、商品としての観点とは異なり、金銭的な状況は各地域市場によって様々であり、戦略としてどの市場に参入するかという見方になります。

このような中、C用途開発でも大型開発用地でなければ、申請費用や税金も物件サイズに比例している為、著しい単価変動を防ぐ事が可能です。また、用途変更をしない事で(大型開発の場合には、土地不足から用途変更をしてからの開発になることがほとんどです)、プロジェクト期間も最短のままにする事が可能になります。また、10〜20戸程の小規模の開発であれば(例えば、C-2だと建ぺい率がR1-1の100%から250%までアップします)、建築期間は一年半程に抑えられるので、財務面負担も最低限に抑える事が可能になります。ただ現在のバンクーバーではC2などの用途区域が少ない為、購入可能物件を探す方が困難になるかもしれません。

商業不動産, 海外不動産投資, 資産運用, バンクーバー, カナダ, 投資戦略, 家業, 事業継承

【中小規模Cプロジェクトの採算】

このような状況で、具体的な投資分析を用いて勝算を分析すると、10戸でも相当な利益幅が生み出せる計算です。我々の場合には少人数で事業を行なっており、コア部門以外は全て外注している事から、人件費がほとんどかかっていません。これが小プロジェクトでも、我々が大きく利益を生み出せる理由の一つです。よって、現在考案中の初Cプロジェクトでは、年率50%程の投資リターンが達成可能だと予測しており、プロジェクトIRRでも18%に達成すると考えています。

このような数字になると、ただのギャンブルと勘違いされるかもしれませんが、不動産はリターンが高いだけリスクが生じる投資商品です。その1つの例として、我々の概要に合う物件を見つけられるかどうかが成功を左右します。我々が分析に用いる数字は実在する販売物件のものを引用していますが(そしてその価格の成長率なども加味しています)、物件を見つけるには時間がかかります。市場状況が向上すれば競争相手が増え、当初の数字通りには物事が進まない場合も出てきます。そして、滞りなく売買契約を締結できるかどうかは、最後の最後まで分からないポイントです。

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ブログアーカイブより:不動産投資とは?

【開発プロジェクトの配当シナリオ】

開発事業では中途配当がなく、プロジェクト竣工時に一気に配当されるシナリオになっています。よって、定期的配当を求める投資家にはハードルが高いというのが現実である一方、その分優先配当率が高く設定されているのが開発物件の特徴です。例えば、超低金利環境時でも、最低年率6%ほどの優先配当が付き、現在は約10%の優先配当のもとアンダーライトしています。また、このような共同投資組合では、参加者としての利益もありますが、我々にとっては運営者としてのパフォーマンスボーナスが大きな利益になっています。このボーナスはIRRと言う内部収益率を用いており、最終経費後の利益でIRRを弾き出し、その数字によってボーナス価格が決まるという仕組みです。IRRには時間的要素が大きく関わってくる為、利益が高くても投資期間が長期化する事でIRRは減率してしまい、運営者へのボーナスも減額してしまいます。よって、効率の良い早期プロジェクトの終了は投資家及び運営者にとってもWin-Winな関係をもたらす構造となっており、運営者の事業者としてのスキルや計画力が試されます。

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