【不動産の性質】
投資の中でも不動産は一般的にリスクが高く流動性が低い投資商品です。期間的にも運用物件であれば、購入から売却するまで運営は継続しますし、開発の場合はスピーディーで簡単な住宅物件であっても2年程は掛かってしまいます。商業物件の開発になれば、小規模物件でも3-4年は掛かってしまい、大型物件になると建築許可を得るだけでも5-7年かかってしまいます。
さらに不動産の場合には、融資を使ってエクイティー(自己資金)の割合を下げますが、自己投資額も高い不動産の場合には、資産の補填先を見つけるか売却先を見つけない限り、投資金を自由にさせる事は不可能です。
運用物件であればその不動産価値は、時間と共に地価が上昇するというのが一般的ですが、短期間の保留ではコストをカバー出来る程の資産価値の上昇は得られないというのが通常です。
また開発物件の場合、着工中のプロジェクトでは将来的成功の予測が困難で、必要コストが不明な場合が多く、購入候補者にとって購入価格の妥当性や正当性を図ることはとても難しいのが現状です。よって、開発中物件において売却先を見つけることは極めて困難となり、着工中に手放すのはほとんど不可能です。この様な状況から、不動産プロジェクトの流動性は低く、リスクが高くなると言われています。
ブログアーカイブより: 第65話「不動産投資シリーズ – イントロ」
【経済に影響される価格評価】
不動産がリスクの高い投資案件と言われるもう一つの理由は、時間が掛かることにより、竣工時/売却時の経済状況が定かではないと言う事です。同じプロジェクトを着工しても、経済状況が異なる環境(金利、マクロ経済、需要など)では、不動産資産の価格評価も変わってきます。よって、不動産プロジェクトを着工する場合には、竣工時の経済状況やプロジェクト商品の需要予測も考慮する必要があります。
同時に、売却目的の不動産プロジェクトは大きな利益をもたらす可能性があります。利益率にしても、年十数パーセントから数十パーセントまで取得可能です。弊社のプロジェクトでも商業の改築は年率35%(達成済)、住宅は23%(Adanacプロジェクト予定)を得ています。また、商業においては65%、住宅においては80%を銀行などの融資で賄うことが可能ですので、一般的な一筆敷地建築プロジェクトでは約1億5千万円相当の自己資産で5億円相当の売上(融資返済前)が達成可能になります。これら数字は2024年半ばの金利引き下げにより、著しく向上すると予測しています。
ブログアーカイブより:海外不動産 投資戦略コラム
【運用会社による不動産市場の読み、経済予測力】
上記のことから、今後の予測能力や動向を読み込む力が鍵を握っているのは言うまでもありません。しかし、数年先の市場や経済を的確に予測するのは不可能です。ですから、投資家としては運用会社が今までの経済予測やトレンドをどう読んできたか、そしてその運用実績を確認する事が必須です。同時に運用会社のリスク管理についても確認するべきです。不動産は一度プロジェクトを着工してしまうと、その方向性を修正することはほとんど不可能です。そのため、その様な中で各プロジェクトが如何に差別化や特有の戦略を用いてリスクを凌ごうとしているのか、知っておくポイントです。
皆さんの不動産投資が、豊かな資産構築に繋がりますよう祈っています。
KM Pacificグループ代表取締役社長
枡田 耕治
YouTube: KM Pacificオフィシャル
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