アリゾナ州およびツーソンのマーケット情報
基本情報
アリゾナ、及びツーソンの概要
成長の潜在能力を持つアリゾナ州ツーソン不動産
アリゾナ州は、アメリカ南西部に位置しており、カリフォルニア州、ユタ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、メキシコと接しています。代表的な都市としては、フェニックス市(約175万人)、ツーソン市(55万人)、メサ市(54万人)があります。
アリゾナ州は、優れた気候、教育環境からビジネスエリアとして魅力的なエリアと言えます。例えば、ツーソンでは夏(6-8月)の平均気温が30℃を超えますが、冬の平均気温(12-2月)は11-13℃と過ごしやすいため、避寒地としても人気があります。
また、教育においても全米最高レベル(Tier1)に属するアリゾナ大学、アリゾナ州立大学が位置することから、優秀な人的資本が州内の企業に集まります。そのような環境から人口増加や企業の移転・進出が続いています。
アリゾナ州では、元来から銅、航空宇宙、防衛産業が盛んですが、近年では特に自動車や半導体産業の研究拠点としての存在感が強まっています。大手自動車メーカーは、同州の優れた気候、人的資本、道路環境を認知しており、業界の将来を占うAIによる自動運転の研究拠点としています。トヨタ自動車、ゼネラルモーターズ、Uber、Waymo(Googleの自動運転開発部門)の実験拠点となっており、それぞれが人々の暮らしを変革させる事業に取り組んでいます。
アメリカ政府は、アリゾナ州に世界的な半導体メーカーであるTSMC(台湾)を誘致することを発表しています。また、インテルも昨年200億ドルを投じて、半導体の新工場を建設することを発表しました。世界的に半導体需要が逼迫している状況下で、製造工場として世界経済の発展の鍵を握っています。
また、自動車や半導体産業の研究開発拠点のみでなく、鉱業、食料品、ヘルスケアなどの企業もアリゾナ州の経済に大きく貢献しています。
ツーソンは、アリゾナ州南部に位置しており、フェニックスに次ぎ州内で二番目に大きい都市です。メキシコの近くに位置しており、車で約1時間ほどの距離です。また、年間を通して雨はほとんど降りません。ツーソンでは、太陽エネルギー産業や航空宇宙・防衛産業が成長産業となっています。また、ライフサイエンスにおいても、ツーソンにキャンパスを構えるアリゾナ大学と様々な企業が最先端の施設と優秀な人材を駆使して共同研究を行っています。GDPは、2016年以降コロナの感染拡大が始まる2020年まで1-3%の幅で成長を続けてきました。毎年人口増加も進んでおり、2010年と比較すると7.23%の増加を記録し約55万人となっています。(東京都八王子市約56万人)失業率は、コロナ前4%台を推移してきましたが、2020年7.5%を記録しました。しかし、現在は回復傾向にあり、5.0%まで回復しました。
ツーソンの経済状況
オフィス不動産市場
コロナの影響からの回復
過去3年のオフィス市場
*データ:Cushman & Wakefield
最新のオフィス事情
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
12.3% ▼ | 13.5% ▼ | $22.18 SF ▲ | 62,162 SF ▲ | 0 SF |
*データ:CBRE 2022 Q1
ツーソンのオフィス市場は、賃貸可能面積として約1000万平方フィートあります。2022年第1四半期では全てのオフィスクラスで実質吸収量(期初空室面積+新規供給面積-期末空室面積)が上昇し、コロナの影響から回復傾向にあります。(CBRE)また、ツーソンの退職人口を考慮すると、今後、医療分野のオフィス需要が高まると予測されます。例えば、新しい診療所としての使用や在宅医療企業のミーティング、研修、面接として使えるオフィススペースがあげられます。(Cushman&Wakefield)
また、2022年第1四半期では、1000平方フィート(約93平米)以上のオフィスを求めている企業が50社あります。このように、オフィス需要が高まっていることから、特にクラスAは、パンデミック以降過去最高の49,996平方フィートの実質吸収量が記録されました。(CBRE)賃料に関しても、空室率が下がっていることから全てのクラスにおいて上昇しました。安定した空室率、賃料上昇、新規物件の建設不足を考慮すると、今後もオフィス需要は続くと推測されます。
過去3年のオフィス市場
*データ:Cushman & Wakefield
最新のオフィス事情
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
12.3% ▼ | 13.5% ▼ | $22.18 SF ▲ | 62,162 SF ▲ | 0 SF |
*データ:CBRE 2022 Q1
インダストリアル不動産市場
安定的な成長の継続
過去3年のインダストリアル市場
*データ:Cushman & Wakefield
最新のインダストリアル市場
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
5.4% ▼ | 6.4% ▼ | $0.68 SF ▲ | 54,848 SF ▲ | 643,000 SF |
*データ:CBRE 2022 Q1
インダストリアル市場は、賃貸可能面積として約3900万平方フィートあります。流通や倉庫における需要に加えて、製造工場としての需要も高まっています。また、カリフォルニア州やフェニックス市からの波及効果もあり、それらのエリアから、より良い製造環境を求めて移転する動きが出てきています。そして、現在64万平方フィートが建設中となっています。建設中物件には、AmazonやBD(医療テクノロジー企業)などの大企業による BTS型(Build To Suit :特定のテナントのニーズに合わせて建設し賃貸すること)での建設プロジェクトが含まれます。
また、空室率、利用可能スペース共に減少傾向にあり、賃料が増加しています。トリプルネット(家賃や固定資産税、保険、維持管理などの費用をテナントが負担するという契約内容のこと)での平均募集賃料は、$0.07上昇して、$0.68/月となりました 。(CBRE)全体的に2021年よりインダストリアル需要が高まっているのは明白であり、これによってツーソンの雇用の創造や経済成長に繋がると予測されます。
過去3年のインダストリアル市場
*データ:Cushman & Wakefield
最新のインダストリアル市場
空室率 | 賃貸可能面積率 | 平均募集賃料 | 実質吸収量 | 新規建設 |
---|---|---|---|---|
5.4% ▼ | 6.4% ▼ | $0.68 SF ▲ | 54,848 SF ▲ | 643,000 SF |
*データ:CBRE 2022 Q1